昨夜のこと。 華が泊まりに来れると連絡が来た時。 あたしは既にバレンタインの用意をしてた。 チョコレートは、華が好きだと言っていた小粒の詰め合わせ。 あとは冗談みたいなもの、数種類。 付属のプレゼントは、ベルトチェーン。 雪が降り出す寸前、22時少しで店を出て。 運悪く、吹雪に当たった。 メットのシールドには雪が積もって、前が見えない。 身体中が痛くなるほどの寒さ。 どうしようもなく落ち込みながらも、家路につく。 でも、今日は華がいてくれるから、まだマシとか思いながら、さ。 それなのに、玄関の鍵を取り出す手すら動かなくて、 辛うじてチャイムを鳴らして、開けてもらった後。 ……放置ですか。 グローブだけ受け取って、そのまま華はUターン。 部屋を区切るカーテンすら閉められてしまって、 あたしは玄関先で雪を払いながら、感覚のない手で合羽を脱ぐ。 それを干して、メットもブーツも脱いで、カーテンを開けると。 これでキレない方がおかしいでしょう? 華には知ったコトじゃないけど、リュックの中はお土産でいっぱいだったのよ? 雪を被ったまま帰ってきたんだしさ? ぶちギレて、一通り文句を言って、 ようやく覚醒した華が正座して謝ってて。 まあ、怒りは残ってるけど、仕方ないことなので、流しました。 抑えられたので、良しとしましょう。 埋め合わせに、御機嫌を取ってもらわなきゃ。
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