My life as a cat
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2003年10月22日(水) 勇気をくれた大人達

来年から社会人にならなければならないのにバイトに明け暮れ就職活動も全くしていない妹と両親は毎日のように口論している。妹の大学は文系で勉強したことを就職に活かすのは難しいようだし、まず本人も何を目指してよいのか解からないようだ。

毎日同じ口論の繰り返しで一歩も前進しないこの件に関して先日母から「おねえちゃんから言ってやって」と言われてしまった。わたしはこういうときちょっと複雑になる。妹のぐうたらにも呆れるけれど、母がこのぐうたらな妹を作ったと思う節もある。わたしと妹は5歳離れているので、けっこう頭脳には差があり、大抵のことは「おねえちゃん、面倒見てあげなさい」「おねえちゃんなんだからやってあげなさい」と言われて育ってきた。そのうちわたしは何でも自分で勝手に決めててきぱき調べて行動するような人間に、妹は優柔不断で決断は他人に委ねて何か行動しようにも情報収集力もなく人任せな人間になってしまった。これが悪循環でこんな妹を両親はますます心配し、「さっちゃん(妹)はそんなことしちゃ駄目」とか「さっちゃんには出来ないよ」と色々行動を制限してきた。わたしが一人でふらっと海外旅行に出かけてしまうことには何も言わなくても、妹が一人で飛行機に乗ってパースにいるわたしを訪ねてくるときも猛反対したくらいだ。

妹に「とりあえず就職してみて合わなければ転職するなり他の道を考えてみればいいじゃん。何もやらないでダラダラしてたらもったいないよ」と何度か言った。それから妹は一つだけ内定をもらってきたのだけれどそこで働くには遠くに行かなければならず一人暮らしをすることになる。これがまた母親には心配で「さっちゃんがそんなことできるわけ無いよ」と言う。わたしはついにきれてしまい「親が子供に"出来ない"、"出来ない"っていうべきじゃないよ。そうやって暗示かけると本当に何も出来なくなっちゃうんだよ。一人暮らしでも何でもさせてみればいいじゃん。やる前から出来ないなんていうから本人だって怖気づいて"わたしはどうせ出来ない"って思っちゃうんだよ」と言ったら、母はしばらくわたしと口をきかなかった。でも謝る気はなかった。だって誰だって最初から出来ることなんてあまりないし、失敗して学ぶことだって沢山あるから。わたしだって一人暮らしを初めてした時は洗えない服まで洗濯機に突っ込んでお気に入りの服を縮ませてしまったりした。けれどそうやって覚えてきたのだ。

以前働いていた会社の上司はわたしがこんなことをやりたいが難しそうだと話すと「まぁね。でもそれは本人次第。やってみなきゃわからないよ」と言ってくれた。わたしはその言葉にとても勇気をもらった。そして今でもその言葉は何か新しいことをはじめる時に不安に駆られる心を励まし続けている。思い起こしてみればわたしの周囲には彼のような大人が沢山いた。だから母親にも妹にそんなことを言って欲しくない。


Michelina |MAIL