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大人が二人家にいると、ひとりがロクちゃんに手を取られていても、もうひとりが動けるから家の整理も捗る。物が山積みだったサロンもすっきりした。これでやっとカウチで夜の映画をゆっくり楽しめそうだ。
それにしても、男というのは基本的にはやっぱり子育ての実行部隊には向かないのではないかとつくづく感じる。一日24時間ロクちゃんと離れることのないわたしのほうが何もかももっと器用にできるのは当たり前だが、それにしても、お風呂に入れてくれても、その後服のボタンがちぐはぐに止められてたり、気候に合わない服を着せてロクちゃんが寒くて泣いてたり、夕方になると理由なく人恋しくて泣くロクちゃんをそのまま放って自分の"やりたいこと"をしていたり。冷静に考えれば、我が家において彼のロールは外で家族に必要なお金を得てくることで、それは全うしているのだから、文句は言うまいと思う。でもロクちゃんと家事の間で気持ちに余裕がなくなってくると、つい言ってしまう。
「ねぇ、わたしが夕飯を作ってる時くらいロクちゃんをあやして」
「でも、僕はカーヴの片付けを終わらせたいんだよ」
「それは今やらなきゃいけないことじゃないでしょ。あなたの"やりたいこと"はロクちゃんが眠ってからしてね」
家に自分しかいない日は、泣き喚くロクちゃんを放っても食事の準備はしなくてはいけない。我が子の泣き声を聞きながらする料理など楽しめるはずもなく、ひたすら急いでやってすっかりパニックに陥ってしまうこともある。そんなことが続いてぐったり疲れてしまう日もある。しかし、こんなこともきっと長くは続かない。すぐに"友達と出かけるからいいや"と言われる日が来てしまうのだろう。抱き癖がつくという意見もあるけど、ほんの短い時間しか、子はわたしの手中に留まってくれないのだと思うと、できる限りふれあっていたい。
母の日。「何でもいいから花がいい」と本人が言うので、わたしが一番好きな白い薔薇を贈った。かすみ草と青い小花と共にアレンジされたもの。
「かすみ草は母さんの大好きな花です。ありがとう」
とメッセージが来た。両親のことを思い出してみても、子育ての実行部隊は母だった。父は外でお金を作る人。休日に自分の好きな場所に一緒に連れて行ってくれる人。どちらも大事な役割。形は違えど、どちらもちゃんとした子育てだ。理屈ではわかってる。リュカの出来ないことに文句をつけるのはやめよう。あちらだってわたしに大した収入がないことに文句をつけないのだから。