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2021年05月16日(日) |
みんながお姫様になりたいわけじゃない |
妹の作るキャラ弁がすごい。姪っ子ちゃんが保育園に通うようになり、静まり返った家で、ママと一緒にいたいと毎朝泣いて唇を噛みながら出ていく娘を思うと何も手につかなくなったことがきっかけで、キャラ弁作りに没頭して気を紛らわせているのだという。保育園は給食でもお弁当でも選べるのだが、姪っ子ちゃん以外はみんな給食にしている。だから彼女がキャラ弁を開ける瞬間は、先生までもが覗きにくる。
「先生もすごいねって言ってくれたの」
と得意げだった。ところが、ある日泣きべそをかきながら帰ってきた。
「みんなはジェリー食べてた」
彼女だけがキャラ弁でジェリーがなかった。それ以来妹は保育園に頼んで献立表を入手し、ジェリーが出る日は、ジュースを寒天で固めて持たせるのだとか。
キャラ弁を禁じる保育園もあるらしい。理由は両親が忙しくて持たせてあげられない子もいて、そういうところで格差が生まれるから。でも、なんでみんなと自分が同じでなければいけないという前提で教育するのだろうか?大人になったら嫌でも格差と付き合っていかなければならないのに。わたしが子供の頃は、そんな神経質な規則はなかった。お遊戯会でお姫様役に選ばれる子はちょっと可愛くて威張ってる子と決まってたし、クリスマス会なんかではわたしは2年連続トナカイの役だった。もっと存在感が薄い子は木とかで。みんながお姫様になりたいわけじゃないし、みんながなれるものでもない。そういうことを子供のうちから学んでいったのはよかったと思う。おかげで他人にとってではなく自分にとって価値のあるものをまっすぐ見つめていけるようになった。こんな話を母としていた。
「確かにそうね。でもトナカイの役なんてやってた?あなたは本当に可愛い顔した子だったのにお姫様じゃないなんて・・・」
「そりゃ、親だから大分目が曇ってるのさ(笑)」