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フランスで唯一の日本人の友人から妊娠したとの報告があった。これまで彼女から紹介してもらった人はみんな妊娠中という偶然が重なっていたのだが(それともやっぱりコロナの外出制限の影響なのか)、彼女だけが身軽だった。思えば、
「子供とか欲しくないんですか?絶対可愛いですよ〜」
なんてプッシュしてくれたのは彼女だった。
「いまいち興味が沸かないのよね。環境破壊が著しいこの世に自分の子孫を生み出すのもなんだか苦しい気がして。それにわたしは自分のやりたいことでいっぱいいっぱいで、子供の面倒を見るなんて出来るかな」
と、そんなことをランチしながら話して、その2ヶ月後に妊娠したのは青天霹靂だった。数ヶ月に一度彼女とランチをしながら日本語で話すのはとても良い息抜きだったが、出産してからは彼女を誘うのも気兼ねしていた。わたしの頭の中はおっぱいとおむつで埋め尽くされてて、彼女を退屈させてしまうのではないか、ロクちゃんが泣いたりして鬱陶しい思いをさせるのではないかと懸念していた。そして、こうやって疎遠になっていくのか、と寂しかったのだのだが、彼女も子連れとなったら誘いやすい。
次回会うときに彼女に渡そうとロクちゃんが着られなくなった服を見繕う。日本から送ってもらった姪っ子ちゃんのお下がり。なんてデリケートな作りなんだろう。綿菓子のようにふんわりしたガーゼの生地、縫い目は肌に当たらないように外側に出してる。前合わせなのも日本的。近所の子供たちからまわってきたお下がりの服も沢山ある。自分の趣味には合わない服もあるけど、子供なんて何を着せても可愛いのだから、そう気張る必要もないみたい。いただいた服をありがたく着せて、節約できた分のお金は、彼が将来何か勉強したいだの言い出した時のためにとっておこう。彼女の子も男の子。二人の小侍が一緒に走り回る姿を想像する。とっても楽しみだ。
(写真:クロちゃんとロクちゃんは空気のように一緒にいる)