歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年11月26日(水) 靴磨き屋初体験

先々週末、某所で開催された学会に参加した話は既にここに書きましたが、某所へは近所の空港から飛行機で移動しました。近所の空港から某所近くの空港へは飛行機で1時間の距離。交通費や学会でのスケジュールを考えると、最もコストパフォーマンスが高いのが飛行機での移動でしたので、飛行機を利用しました。
それにしても最近の飛行機利用は便利になったものです。インターネットを利用して飛行機のチケットが購入できます。しかも、バーコードをプリントアウトしたものを持っていけば、そのまま検査場、そして、改札機も通過することができます。飛行機を頻繁に利用している方にとっては何を今更言うのだと突っ込まれるかもしれませんが、僕のように普段飛行機を利用しない者にとっては最近の飛行機チケットには驚きを禁じえませんでした。

そんなバーコードチケットを利用したせいでしょうか、思った以上に早く空港の出発場所に着いた歯医者そうさん。まだ、飛行機の離陸までかなり時間があったので何気なく周囲を見ていると、ある看板に目が行きました。それは靴磨き。この空港には靴磨きをしてくれる一角があったのです。料金は一人400円。しかも、5分以内に靴磨きをしてくれるとのこと。
僕自身、今まで自分以外の人に靴を磨いてもらった経験がありませんでした。飛行機の離陸まで十二分に時間もあることだし、自分の靴はあまりきれいな状態とは言えなかったこと、そして、何よりも一度は自分の靴を専門の人に磨いてもらいたいという好奇心から僕はこの靴磨きコーナーに入りました。
そこには靴磨きの職人さんが二人待機していました。僕は高い椅子に座り、差し出された靴台の上に自らの汚れた靴を置きました。初体験だったせいでしょうか、それとも、小市民まるだしだったかもしれませんが、非常に恥ずかしい気持ちになりました。しかも、職人さんは僕よりも年配の方。靴磨きの職人さんがいくらプロだとはいっても年配の方を見下ろすような形で椅子に座り、磨いてもらうというのは非常に居心地が悪い感じがしたものです。
ところが、靴磨きの職人さんはそのようなことは全く気にせず、ひたすら僕の靴を丁寧に磨いていきます。まず、水分を含んだ布で靴の汚れを大まかに取った後、へらに僕の靴の色に合わせた靴墨を適量取り、僕の靴に丁寧に塗っていきます。その後、ブラシで磨いた後、研磨。みるみるうちに僕の汚れた靴がピカピカになっていきます。日頃、自分でも靴を磨くことがあるのですが、如何に自分の靴磨きがいい加減なものかわかるくらい、丁寧に磨いていきます。しかも、全く動きに無駄がありません。非常に手馴れた手つきで決められた工程を効率よく行い、磨いていきます。見ていて爽快に感じました。職人さんの手つきのよさに思わず見とれてしまった歯医者そうさん。
そのうち、僕の隣の席にもお客さんが入って靴磨きをされていましたが、このお客さんは何度も利用しているせいでしょうか、悠然と新聞を読みながら靴磨きを受けていました。
そうこうしながら、
「はい、これで終わりました。」
という職人さんの声。
僕は直ちに料金を支払い、
「有難うございます」
と言い、靴磨きコーナーを後にしました。後から、
「いってらっしゃい」
という靴磨きの職人さんの明るい声が聴こえてきます。
始めよければ全て良しという言葉がありますが、幸先よい学会参加のように思えてならなかった歯医者そうさん。足元をピカピカにして颯爽と予定の飛行機に乗り込んだのでした。


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