歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年11月27日(木) 原石の宝石を発見する喜び

ここ数日、僕は仕事の合間を縫ってあることをしています。それはレポートの採点。僕が講師を務めている某専門学校ですが、週1回の講義は先月終わりました。講義は終了したのですが、いくつかのテーマでレポートを提出する宿題を出していたのです。学生が書いたレポートが僕のもとに郵送されてきたのが先週末。僕は学生一人一人のレポートを読みながら採点をしています。

正直言って、何十人もの学生のレポートを採点するのは大変です。僕はいくつかの採点基準を設け、その基準に則って採点をしているのですが、学生が書いたレポートを隅々まで読みながら採点をしています。拾い読み、飛ばし読みすることなく読んでいるわけですからかなり大変な労力です。普段から採点慣れしている方であれば採点の要領があるのかもしれませんが、採点に慣れていない僕にとって時間がかかる作業です。
しかも、学生のレポートはいろいろです。真面目に書いているレポートもあるかと思えば、真剣に書いているのかわからない、熱意の無いレポートもあります。当然のことながら、真剣に書いていないレポートに対する評価は低いのですが、採点する方もモチベーションが下がってしまいます。

ただ、中には僕が思わずハッとするような発想、視点を持って書かれたレポートもあります。僕は自分が課題を出したレポートに対して、“自分ならどのようなことを書く“というイメージを持っていますし、実際に見本のような形でワープロに書いておくこともしばしばです。
実際のところ、多くの学生のレポートは僕の予想を超えるようなものではありません。しっかりと真面目に書かれているレポートは多いのですが、書き手の考え、発想、視点は僕の想定の範囲内のものがほとんどです。ところが、数は少ないのですが、思わず僕も唸ってしまいたくなるようなことを書いているレポートがあります。書き手のことを思い浮かべると、あんな学生がなあ?と思いたくなるような学生が書いた内容が非常に刺激的で新鮮であることがあるのです。そのようなレポートを読んだ時は、さながら何もなさそうな大地から宝物の原石を見つけたような感じがするのです。僕と学生とは教師と教え子という関係ではあるのですが、時には教え子でありながら僕を上回っているような発想、視点を持っていることがあるという事実。僕はこのことに驚きながらも、宝物の原石を見つけたこの上ない喜びを感じます。この原石を磨いてやれば、非常に光り輝く宝石になる。そんな予感さえ感じるのです。

レポート採点は大変な作業ではありますが、たまにこうした素晴らしい内容が書かれたレポートを読み、大変刺激を受けるものですね。


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