2009年03月17日(火) |
心地よい疲れを感じたい |
仕事をしている人は誰でも同じだと思うのですが、一日の診療を終えると僕は疲労を感じます。何人もの患者さんを治療してきたわけですから体力的にも精神的にも疲れて当たり前なのですが、疲れ方は日によって異なります。同じ疲れていても心地よい疲れ方とそうではない疲れ方があります。 心地よい疲れ方というのはあっという間に一日が過ぎたような時が多いように思います。他のことを考えることなく診療に集中でき、なんとなく充実感に溢れた疲労を感じるとでもいっていいでしょうか。 一方、心地よくない疲れ方というのは、何か無駄なことをしているような感覚のまま診療をし続け、時には感情的になったりしながらやっとのことで一日の終わりを迎えるような感覚のように思います。いつも一日の診療が終わる時には心地よい疲れを感じたいのですが、残念ながら最近の僕は後者であることが多いのです。
僕は必ず診療前には予約が入っている患者さんのカルテを確認します。これまで診療の流れと今日の診療、そして、今後どのように診療をしていけばいいかを自分なりにシミュレーションするのです。このシミュレーションを頭の中にインプットして診療に望むわけですが、昨日は完璧に事前のシミュレーションどおりに診療を行うことができた日でした。患者さんの診療というのは一種の生き物のようなところがあります。事前に想定していることと異なることがしばしばです。患者さんは、歯医者が思ってもいなかったこと、予想していなかった症状を訴える場合があり、歯医者は患者さんが訴えることを常に耳を傾け、冷静に対処しなければならないのです。ところが、一日に何人もの患者さんを診療するわけですから、一人当たりの患者さんに費やす時間は限られています。しかも、予約制の場合、患者さんは指定された時間に歯科医院に来院しています。診療する歯医者は予約時間を常に意識しておかないといけません。 結局のところ、予定していた診療内容と思わぬ患者さんからの訴え、他の患者さんとの治療時間の調整などから、診療前に考えていた治療どおりにいかないことが多いのが現状です。 何事でもいえることですが、医療においてはどんな状況でも柔軟に、臨機応変に対応しないといけないのですが、まだまだ未熟者の僕は臨機応変に対処することが苦手です。一日の診療が終わる時に感じる心地よくない疲労の一因にはこのようなことが背景にあるのではないかと感じています。
そんな中、昨日は久々に心地よい疲れを覚えた診療日でありました。診療開始から終了まで、事前に予測していた通りの診療をし続けることができたからです。診療時間中には想定外の予約外の患者さんの治療をすることもあったのですが、何とか上手く診療時間をやりくりすることができたと思います。このような日が一日でも増えてくれたら有難いのですが、今日の診療は一体どうなることか?自分にとって充実感のある診療を今日も心がけたいものです。
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