歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2009年04月06日(月) 飛翔体免疫の無さ

常に健康を維持するためには人間の体の中には非常に大切なシステムがあります。それは免疫。目に見えない細菌やウィルスといった外敵が体に侵入してきた場合に備えて人間の体が備えているシステムのことを指します。感染症や病気の種類によって異なりますが、一度病気に罹ると次からは病気に罹らない、罹ったとしても軽く済むような場合、体の中にはこれら病気に対する備え、免疫が出来ているわけです。
この免疫ですが、様々な細菌やウィルスに対して対応できるようになっているのが特徴です。別の言い方をすれば、何らかの病気に遭遇しないとその病気に対する免疫はできないわけです。よくワクチン接種ということが言われていますが、これは健康な間に細菌やウィルスの少量、もしくは弱毒化したものを体の中に注射し、体内に侵入させることで事前に免疫(人工活動免疫といいます)を作っておくことを指します。いきなり外敵に遭ってから免疫ができる前に事前に免疫を作っておくことで、免疫の効果を高めることが目的ですが、いずれにせよ免疫は外部から侵入してくる細菌、ウィルスといった外敵に遭遇しないと機能しないものです。

話は変わって、先週末からの北朝鮮からの飛翔体騒ぎ。事前に北朝鮮からは人工衛星の打ち上げをすると通告しており、その期間が4月4日から8日の午前10時から午後4時まででした。打ち上げルートも通報されていたわけですが、実際に昨日打ち上げられたのは昨日のことでした。
政府及びマスコミの対応を見て僕が感じたのは、日本の国というのは外国からの軍事的行動に対して免疫がないなあということです。
人工衛星の打ち上げとはいえ、他国の領土をかすめるようなルートを取ることは国際的には非常識なことであることは確かです。しかも、長距離弾道ミサイルと全く同じ構造をもつロケットの打ち上げなら、失敗した場合、日本国内に影響が及ぶことは考えられました。これに対し、政府からの通報システムや自衛隊のミサイル迎撃システムなどが配備されていたわけです。実際のこれら防衛システムの実践運用は国内では例がなかったと思います。そこで、いくつかのトラブル、ミスがあったようです。また、これらトラブル、ミスに対して過剰にマスコミが反応していたように思えてなりません。
僕は、今回の北朝鮮による飛翔体騒ぎは、日本の国が何か外敵に対して免疫ができていないような状態だったのではないかと感じました。それだけ日本の国が過去数十年にわたって平和だったという証でもあるわけですが、何かと動きの大きい時代、日本も決して平和ではないことがわかっただけでもよかったのではないかと思います。

免疫は外敵に遭遇して初めて機能するもの。日本も今回の飛翔体騒ぎによって少しでも外国からの軍事的行動に対して冷静に適切に反応できるよう、経験と免疫ができることを期待したいものです。


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