歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2009年04月16日(木) 占い師タクシードライバー

昨年も書いたことですが、僕は診療の合間に某専門学校の非常勤講師を務めています。1年中講義をしているわけではないのですが、今年も4月からしばらくの間、講義を行うことになっています。
今回の一連の講義はカリキュラムの大幅変更の影響で講義時間がこれまでの倍になりました。そのため、今までと全く同じ内容の講義をするというわけにもいかず、準備にはこれまで以上に時間をかけていました。こんなことを書くと本職の先生に叱られそうですが、実際に講義をするよりも準備の方が大変だと思います。いくつもの専門書や教科書を見ながら準備を整え、講義に臨むのですが、いつも講義が始まるまでは不安でなりません。果たして今回の講義はうまく運ぶのだろうか?

昨日、この講義の第1回目がありました。結果としては、無難にできたのではないかと思います。学生の反応や出来具合を肌で感じながら若干の軌道修正をしないといけないようですが、基本は変えずに講義を進めていこうと感じた次第。

講義が終わった後、僕は某所へ出かける用事がありました。地元歯科医師会関係の公用だったのですが、講義の終了時間と公用の約束時間との間にほとんど時間がありませんでした。通常なら、電車で移動するところ、この日だけはタクシーで移動をすることにしました。多少の金額はかかりますが、時間を考えると背に腹は変えられず、流しのタクシーに飛び乗ったのです。

タクシーに乗り込み行く先を告げて間も無くのことでした。タクシーの運転手が僕に問いかけてきます。

「お客さんの名前は何ていうのですか?名字ではなくて名前の方です。」
「どういうことですか?」
「実は私はタクシーの運転以外に占いをやっているものですから。他意はないんですよ。よろしかったらどうですか?」

ということで、僕の名前を伝えると

「お客さんは呼吸器の病気に気をつければ、長生きできるくちですよ。」
「へぇ〜。何となく当たっているような感じだなあ。」
「奥さんの名前はどうですか?」
「○○ですよ。」
「この方は上の方に対しては地道に支えますし、いざ自分が前面にでなければいけない時には現場を仕切ってうまく立ち回ることができる方ですよ。いい名前ですね。」
「家内に言ったら満面しきりのはずですよ。」
「お父様の名前は何て言われますか?」
「親父は△△です。」
「この方は親に縁が薄い方でしたね。それから、若い頃は健康だけれども年を取ってから血圧が高くなるから注意しないといけないですね。」
「それは当たっていますよ。親父は5人兄弟の末っ子だったのですけど、両親が共働きだったことと末っ子だったことから親があまりかばってくれなかったと言っておりました。それから、親父は数年前血圧が高くて死に掛けたことがあったのですよ。今は降圧剤を飲んで血圧をコントロールしています。」

それ以外に、子供二人の名前やお袋の名前を言ってみると、まるで子供やお袋をいつも見ているかのように性格がピタリと当たっているじゃありませんか?大したものだと思いながら話をしていると、

「最近終わりましたけど、某テレビ局の番組で『○○○の△△△△ー』という番組がありましたでしょ。あれ、私がネーミングしたんですよ。」
「あの番組って結構人気がありましたよ。かなりの視聴率を取っていたはずですよ。」
「ちょっとしたことが縁で、あの番組のプロデューサーと知り合いになりまして、相談を受けてアドバイスしたんですよ。」

それ以外にも芸能人の名前(本名で占うそうですが)をもとにいろいろと教えてもらいました。下車する際には、紙に印刷した資料までお土産にもらいました。

正直なところ、この手の占い話は自分の当たっているケースを言うもの。実際にどれくらいの確率であたっているかどうかを客観的に話すことはないものです。僕自身、占いで人の人生がわかるとは決して思いませんし、それでは人生がつまらないと思う方。ただ、話のネタに聞いておくといろいろと面白いものですね。

この話、我が家に帰って嫁さんやお袋に話すと、僕の話に食いついてくるわくるわ。目を輝かせながら聞いておりました。

「今度、是非そのタクシーに乗ってみたいものやわ。」

それこそ、そのタクシーの運転手の思う壺だとは思いながらも、女性って占いが好きなんだなあと改めて感じた、歯医者そうさんでした。


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