カゼノトオリミチ
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2007年07月30日(月) 泰山木の花





太陽は 高く 道は 遠く

歩いても歩いても

いっこうに家が見えてこない



風が耳元で 

かさりと 音を立てる

玄関先の泰山木の そう 硬い葉ずれの音に似て

坂を登ると

おかえり と いつも私を迎えてくれた

真白の泰山木の花



手のひらに余るほど

大きなその花 見上げるたびに

きっと神様が隠れていると 思ってた



アスファルトは いつのまにか ふわ ふわ

靴をどこかに 忘れてきたのか

ロボットのように 勝手に先へと進む足

仕方なく 身体はそれを追いかける



いつか はじまりの場所へと

歩き続ける

坂の上の

傾きかけた木戸のむこうへ 還る時まで







natu