夕暮れにそぼ降る雨は 細く冷たくむき出しの 二の腕を白い手のひらで そおっと包むこのほのかな暖かさ温もりの 記憶たどればひとつ ふたつ 雨ににじむ街灯の心細さ水色のカサにかけた指先に雨粒ひとつ 不安のかけらが小指の先で 行ったり来たり身体はここにいるけれど思いは紫がかる空へと 流れてゆく過去から今 そして未来が螺旋にからみあう 雨の街かかとの音だけが 響く帰り道