カゼノトオリミチ
もくじ|過去|未来

毎日 ベランダ 通り過ぎる
夕暮れの風に のって 小さな手紙が
時たま 届いた事が
あったような 気がして
今日も
ベランダで 待っている
開いた手紙に なんて書いてあったか
はらり さくらの花びら すり落ちたか
薄灰いろの 記憶を たどり
今日も
こうして 待っている
とうの昔に
郵便屋さんは あちらを発ったと
旅の 鳥
ならばもう 返事はこないだろうと
胸の奥 絞りながら
それでも 待っている
でたらめな言い訳と メロディ
口の中で くりかえして
なるべくキレイな 心でもって
natu

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