カゼノトオリミチ
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2008年04月07日(月) 芽吹きの時




今日 横断歩道の向こう側の

桜の木にも お別れの時が 来ていて

その木の向こうに 

いつのまにか わか緑に うっすら包まれた

大きなケヤキが 熱を持ち



あらゆる命の チカラが めざめて

町中に はちきれそうに 満ち満ちて



ワンは ちょっと 怖気づき

ケヤキの根元を くるりと回る



大地のチカラは ケヤキの指先 隅々にまで

とうに広がり わか芽を 噴き出す



花びらは 黙ってただ はらはらと

花散らしの 細い雨が

ぽつり ぽつりと 降り始め



ワンは そわそわ しっぽを落とし

ワタシは どうしていいのか 雨に打たれ

とにかく早くと つなをひっぱり 歩き出す



わか緑の 得体の知れない

無言の生命力に つぶされそうな

重く ツライ 花ぐもりの 春の日


natu