☆空想代理日記☆
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昨日は久しぶりに古本屋を偵察しに行った。定期的に偵察しなければ貴重な本がいつ安売りされるかわからないので、不逞者は鷹の眼を光らせねばならなかった。
それと買わなければいけない本もあったのだ。数年前に出たゲームの攻略本だった。
おそらく友人たちに訊いても、誰も憶えてないような気がするのである。
ただでさえいつも人より遅れてゲームを始めるので、こういった出費は当然だった。
古本屋へ向かう途中、外国人に道をきかれることもなかったし警察に捕まることもなかった。
古いゲームをしているので、予測であるが、不逞者の姿は誰にも視えてはいないようだった。
視えていないついでに、攻略本を万引きして店員さんに捕まろうかと思った。そして店員さんの胸に飛びこんで「いやいや」をするように、頭を左右に振ろうと考えた。
これが透明人間ができる最大の抵抗であり、意思表示でもあると思った。
しかし、お目当ての攻略本はないばかりか、ゲームコーナーのそばは防犯カメラが満載であった。あっさりと退散したのだった。
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