☆空想代理日記☆
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昨日は全国的に映画館の入場料が安い日だった。これは行くしかないのだった。
どの映画を観ようか悩んでいると、大人になってから仲良くなった友人から電話がかかってきた。
いまだに電話を切るタイミングがうまくつかめない不逞者、小学生の頃の思い出話をしてぜんぜん噛み合わない会話を楽しむ。
それもそのはずで、友人とは通っていた小学校が違うからだった。
そうこうしているうちに携帯電話の液晶部分が脂まみれになった。これは、不逞者が年老いたという証拠なのだろう。
とりあえず映画館に行ってから決めようと思った。なかなか自由なスタイルだと思ったからだった。
家から出た。無駄に広いスペースのところで近所の子供たちが花火をしていた。
嫌な予感がしたので、そこでしばらく立ち止まった。どうせなので子供たちを観察したのだった。
奴らは、色とりどりの火花を楽しんでいるというよりは、点火する行為に快感を得ているようであった。
導火線に点火する時の表情は、誰かの椅子のうえに接着剤を塗りつけて、その主が座るのを待っているような笑顔だった。
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