☆空想代理日記☆
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昨日も天気が良かったので散歩にでも出ようと思った。恐ろしく遠くまで歩いて帰りのことは一切、考えない散歩である。不逞者はこれを『超人散歩』と名づけているのだった。
不逞者の住んでいるところの近くには最近、新しい道路が開通されたのだった。
もとは自然が満載だったところを切り崩して通ったこともあり、なんかいい感じの道路だった。
その道路をひたすら真っすぐ歩いた。
かなりいった場所に墓地があり、たくさんの大人たちが菊の花を持って歩いていた。
ついでなのでお墓参りごっこでもしようかと思った。つまり、知らない人たちの行列の最後尾についたのだった。
「さっさと参って、冷やし中華でも喰べたいわあ」
「ファンタ! ファンタ!」
「実はこの間、キョンシーを視た」
などの声があった。最後のは絶対に嘘だと思ったが、口に出さないでおいた。
しかし、いろんな人がいた。掌をあわせて眼をつむり、鼻あたりをもにょもにょ動かして痒いのを我慢している人がとくに印象的だった。
ともかく不逞者、知らない人の墓石の前で厳粛に参ってきたのだった。
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