☆空想代理日記☆
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残暑の厳しさとともに、再びセミの大合唱が復活したようだった。えらくやかましく不逞者は思った。
やかましいといえば、昨日は来客があった。マードレの友人で、不逞者はそのおばさんのことを心のなかで『微笑み悪魔隊長』と名づけているのだった。
この異名をとるきっかけとなったのは、不逞者の気遣いのない一言にあった。なので不逞者も悪いのである。
おばさん、この言葉に過剰な反応をしめしたのだった。
「あら、みのもんたには『お嬢さん』て呼ばれるのよ、わたし」
といった具合で、それ以来不逞者のことを敵視しているようだった。
それからは用もないのに不逞者宅へやってきて、喰べかけのバウムクーヘンを持ってきたり、不逞者の傘を盗んでいったりするのだった。
注意しようと何度も思ったが、悪気を感じさせない微笑みをかえしてくるので注意できないでいるのだった。
靴のなかに入った小石のような存在のおばさんでも、一応はマードレの友人なので、2人まとめてガス室みたいな場所におくってやりたいと思った。
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