☆空想代理日記☆
INDEX|past|will
実は不逞者のパードレは、男性のくせにシンデレラに限りなく近い才能をもっているようだった。
先日、『微笑み悪魔隊長』なるおばさんのことを日記に書いた。不逞者宅へ来る時には、どこかから仕入れたものを持ってくるとも書いた。
今回はいなり寿司を持ってきたらしかった。それは不逞者のために持ってきたらしいのであるが、危険を感じて断った。
マードレはいなり寿司を捨てるわけにもいかず、パードレにすすめたのだった。
パードレは鉄の胃袋をもっており、まるでゴミ箱のような人間なのである。
自分のためにいなり寿司を持ってきてくれたのだと軽い勘違いをおこして、えらく上機嫌であった。まるで今から札束の海で水着の女性数人と肩をくみながら、幸運の石の写真撮影をするような笑顔だった。
野良犬のようにいなり寿司をたいらげ、しかも誰にもとられないように隠していた。まるで弁当をフタで隠す女学生のように視えた。
気持ち悪いほどの上機嫌は深夜まで続き、タレ目になるほど笑っていた。が、午前零時を過ぎたあたりから腹痛をうったえ、トイレで夜を明かしたのだった。
|