☆空想代理日記☆
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昨日も放心状態になって口からだらだらとよだれを垂らしてしまいそうになるくらい暑かったが、病院へ行かなければならなかった。
風はわりと心地よい品質のものが吹いていた。おそらく南国の風である。しかし、地面は巨大なフライパンのようだった。小太りな小学生は丸焼きになっていてもおかしくない気温だった。
歩いて病院へ行く場合は、笠をかぶって杖をつき、あとは勇気が必要であると思った。
笠と杖はなんとかなるが、不逞者の心のなかには勇気がからっぽなので、小石を蹴飛ばしながらバス停まで行った。
バス停は日陰になっているので安全だと思っていたがそれは大きな間違いのようだった。
ベンチに座って壁にもたれている太った女子高生がいた。まるで死んでいるようだった。
「あぢぃ。あちぃよマジで。マジうぜえし。太陽は眩しいし、バスはおせえし、あたしのワキはびちょびちょだし」
とかなんとか1人でぶつぶつ言いながら怒っていた。たしかにワキはびちょびちょだった。というより、上半身が透けていて、かなりの有毒であると不逞者は判断した。
そして不逞者はタクシーに乗った。
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