☆空想代理日記☆
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日曜日の昨日、まろやかな雨とともに目醒めた。ずいぶんと冷え込んだ朝で、季節の変わり目を認識することなく秋になったようである。
勢いよく気温が垂直落下すると、シャワーだけの場合、間違いなく風邪をひいてしまいそうだった。
最近、近所にあるドラッグストアでゲルマニウム入浴剤という平成時代を象徴するようなアイテムを入手していた。
さっそく不逞者はゲルマニウムを浴槽に垂らした。まるで川の上流から猛毒を垂らす悪い人の手先のようだった。
噂によればこのゲルマニウムという強そうな名前のアイテムは、尋常じゃない発汗作用があるらしいのだった。
入浴。 躰の芯からあたたまり、ドロドロと音をたてて汗が流れてきた。
お湯に浮いているような錯覚をおこしたが、そんなわけはなく、指先から溶けてお湯に同化しているだけだった。
こんな狭いところで浮くわけがないじゃないか、と微苦笑した。が、躰はどんどんお湯に吸い込まれていった。
それからのことは記憶にはない。しかし、洗濯機のなかで目醒めた。どうやらマードレが残り湯を洗濯機へうつしたようだった。
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