☆空想代理日記☆
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昨日は不思議な事件があった。これはもう事件に違いないことである。
自宅に電話がかかってきて、なぜか不逞者はパードレと間違われてしまった。そして電話口の向こうでは男性がむせび泣いており、事故をおこしてしまったと言った。しかも不逞者の本名を名乗っていたのだった。
不逞者は免許証を失っているので自動車を運転することはない。だが彼は、つい魔が差したらしく運転してしまったというのだ。
「ほほう、魔にめった刺しにされたのかね?」
不逞者はふざけた応対をしていると、警察官だという人が「今なら示談できる」と熱弁した。
「いやあ、警察官の眼の前で泪を流すようなクズなんか速いところ逮捕して正座させて重たい石を足のうえに載せて拷問してあげてください」
警察官は「あんた、正気ですか! 息子さんが困ってるんですよ」
さらにしつこく喋ってきたので不逞者、
「ええ、息子さんは電話が邪魔くさいと困ってますよ」
そう言うと、やべっ、と言葉を残して電話をきった。
たぶん、この詐欺みたいな電話は、詐欺の真似をした不逞者の友人の仕業であると睨んでいる。
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