☆空想代理日記☆
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2007年10月19日(金) 10月19日(金)

 不逞者の住んでいる土地にあるTSUTAYAでは、毎月「8」のつく日はレンタルが半額だった。

 普段は森などへ行って動物たちと楽器をひいたり小鳥たちと歌をうたって過ごしている不逞者も、昨日はTSUTAYAに行かねばと思った。

 このチャンスを逃すと次は10日後になるので、たぶん10日間は躰がかゆくなって気が狂いそうになったりむやみに舌を噛んだりしてしまいそうになるのだった。

 そして不逞者、目隠しをして両手を突き出したままいくつかのDVDを選んだ。ほかのお客さんの躰に触れなかったのは、いま思えば奇跡に近かった。

 レジには案の定、半額の品物をもった人たちが行列をなしていた。

 不逞者は意外と気がながいので魚釣りをするような気持ちでのんびりとならんだ。

 目の前に、「私の趣味は他人の金歯を眺めることです」とか言ってそうなおばさんがいた。しきりに辺りを視まわしており、不審者としか思えなかった。

 すると遠くのほうにいるもう1人のおばさんに向かって手招きし、なぜか不逞者の前に入り込んできたのだった。

 これは、跳び蹴りを喰らわせなければと強く思った。



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