☆空想代理日記☆
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「そ、そんなわけ、あるわけがない!」
この一言で、昨日は終わりを告げた。というのはたった今考えた嘘である。
たまたま寄ったコンビニに指名手配書が貼ってあった。そのなかのひとつに、髪型と眉毛と目と鼻と口をすり替えたら友人である『2B眉毛』君にそっくりであった。
それを2B眉毛君に報告したところ、あのセリフがトゲと毒をプラスして不逞者に浴びせられたのだった。
それから昨日は病院へ行かなければならない日だった。
バスに乗った時間帯がまずかったらしく、高校生がたくさん乗っていた。
女子高生の笑い声やひそひそ話がバス中を占拠していた。それらすべてが不逞者に向けられているかもしれないなどと、日頃のおこないを棚にあげて自意識過剰になってみたのだった。
ちょっとした海外スターのような気持ちで病院内に入った。想像では、カメラのフラッシュが無数に焚かれているはずが、実際は看護師さんの白い眼が光っていただけだった。
診察のほうは順調であった。どうやら体調のほうは良くなっているらしい。たぶん、ある寒い日にお地蔵さんに笠をかぶせてあげたからだろうか。
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