☆空想代理日記☆
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昨日の空事情は大荒れだったのか、人間たちを困らせていた。
近所にある浄水場からは殺人サイレンが朝早くから鳴り響いていた。最強の目醒まし時計のようだった。
ただ、この時計はたいへん凄まじい威力をもっていた。ゴミをついばむためにやってきた鳥たちがいっせいに飛び立ち、空が暗くなった。
不逞者、浄水場のほうへ向かってみた。浄水場まではゆるやかな下り坂になっており、少しだけ小走りになった。
すると浄水場らへんからドドドッという音が地面を揺らしていた。しばらく視ていると地面がうねり、波をうっているように視えた。
どうやら、どこかに潜んでいたネズミが大移動したようである。その大群が不逞者に一直線に向かってきたのだった。
身の危険を感じた不逞者は回れ右をして走りだした。だが、ネズミの大群はものすごい速さで追いかけてくる。
手をバタバタさせて舌を出したまま死に物狂いで走った。ネズミに咬まれると悪い病気にかかって死んでしまうというのをどこかで読んだ記憶があったからだった。
ある建物のなかに避難した。そこは、不逞者がよく行く図書館だった。
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