2007年08月17日(金) |
湖南省鳳凰県で橋が倒壊、29名死亡 |
湖南省鳳凰県で橋が倒壊、29名死亡
湖南省鳳凰県で8月13日に発生した建築中の橋の倒壊事故は、14日までに29人が死亡、行方不明者が30人となったが、まだ増えそうな勢いだ。橋はまだ建築途中だったが橋脚を含めすべて倒壊した。原因や責任の所在はまだ明らかになっていない。 (8月15日付け 第一財経日報)
戦略ポイント:構造計算書の偽造を見破るのは困難なので、どうするの?
先ずは犠牲者の皆様のご冥福をお祈りします。
この事故を見て、頭に浮かんだのは日本でも話題になっている「姉歯設計事務所による構造計算書の偽造事件」です。構造計算書を偽造して十分な強度がないことが分かっていながら建築を進めたので大きな地震があればそのマンションが倒壊する可能性があるという事件でした。
また、韓国では80年代から90年代にかけて百貨店が倒壊したり、ソウルの漢江にかかる橋の一部が崩落したりと、ずさんな建築の倒壊で多くの人命が失われるという事件もありました。
中国でも完成後の橋が落ちるという話を何度も聞いたことがあります。原因としては、強度設計が不十分であったり、トラックの多くが積載オーバーで予想以上に橋の強度劣化が早かったりという点が挙げられているようです。
今回の倒壊事故の原因は中央政府の緊急指示で調査が始まったばかりですが、一部報道では橋脚部分の鉄骨の量が極端に少なかったのではとも言われているようです。仮にそうだとしたらやはり姉歯事件と似ていることになるのでしょう。
今回もし構造計算書が偽造されていたり、あるいは建築現場でわざと鉄骨を少なく入れたりといったことが行われていたとしたら今後も同様の事故が発生する可能性が高いといえます。しかし、一般人民はその事実を知りえないので万が一のことはなかなか避けられないと考えられます。
マンションや一軒家を購入する場合は、信頼の置ける工務店、建築会社が建築した物件をきちんと選んでいくことにより事故を避けることはできるといえるでしょう。しかし公共の橋や道路ではそういうトレーサビリティをなかなか確認しづらいのも事実です。できれば中国各地の公共工事については発注業者や金額、主な設計図や仕様などを公開し、誰でも閲覧できるような情報公開が必要ではないかと感じました。
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