2007年08月19日(日) |
中国産食品の輸入が急減・野菜3−5割減 |
中国産食品の輸入が急減・野菜3−5割減
野菜や魚など中国産食品の輸入が急減している。残留農薬問題で消費者の不安が高まったためだ。今年上期は主要野菜が3―5割減。野菜は小売り中心に国産シフトが顕著だが、代替産地を確保しにくい食品も多い。商社は自主検査などで中国産の安全性確認に乗り出した。1―6月の生鮮野菜の輸入量は約24万1500トンと前年同期比21%減った。 (8月15日付け Nikkei Net)
戦略ポイント:食品の安全確保と産地を育てる長期的視点
中国からの輸入野菜の残留農薬や玩具素材の安全性問題が大きな話題になっています。輸入する側の立場からすれば、安全な食品や玩具が供給されるように要求して行くことになるでしょう。貿易でも事前に契約で安全性確保を約束してもらうことは常識になっています。
しかし、中国では小さな農場や工場までは政府の監督も届くわけもなく、コスト削減のため農薬などが大量に使われるというイタチごっこが続いているようです。
国産野菜にシフトしているというのは日本の農家にとってはチャンス到来といえるでしょう。トレーサビリティや農家の熱い思いをサイド情報として消費者にアピールしていけば、少々高くてもお客の支持を得られると思います。まじめに安全な野菜を作っている日本の農家にスポットが当てられたことはとてもいいことです。
中国の農家も、単に経済効率を追って農薬にたよるのではなく、日本の消費者動向にも気をつけて付加価値の高い商品生産を考えるいいチャンスなのではないでしょうか。
もう一つ、気になるのは「とにかく安い商品が欲しい」という日本側バイヤーの問題です。
どの時代でも世界でも、とにかく安いものというのは魅力があると思います。特に100円ショップに代表される均一価格ショップでも野菜が売られるようになり、安く仕入れるのは至上命題になっていると思われます。
しかし、このような「とにかく安いもの」をバイヤーや消費者が追求しすぎたため、中国の生産者も「安かろう悪かろう」というやり方に慣れきってしまったといえるのではないでしょうか。安さを求めすぎたために安全が脅かされているわけです。安全でない食品を売る中国側を単に責めるだけではなく、付加価値があれば少し高くても価値を認めて買う日本側消費者のマインド育成も同時に大切なのではないかと思います。
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