2007年08月22日(水) |
投資信託の基準価格が急落 |
投資信託の基準価格が急落
今回の急激な株安・円高で公募型の株式投資信託の運用成績が急速に悪化しつつある。投信の基準価格が、海外の不動産投資信託(REIT)で運用する投信の落ち込みが目立った。 (8月19日付け 日本経済新聞3面)
戦略ポイント:想定外の展開になってしまったら、、、、
日経によれば、国大投信のワールド・リート・オープンが15.8%下落。三井住友アセットのグローバル・リート・オープンが15.1%、野村アセットの世界不動産投信が14.9%の下落となったそうです。
1年ほど前から、日本国内や海外の不動産投資信託(REIT)はすでに価格急落の危機があると言われていましたが、今回のサブプライムローン問題の発覚で「やはり!」と思いました。
ここ近年の金融商品は、専門的な商品の証券化が多くなっています。今回のプライムローン問題でも、本来なら焦げ付くリスクの高い低所得者へ貸した住宅ローンを証券化して、投資家にはリスクを分かりにくくして海外の機関投資家に沢山売っていたので、世界同時に信用不安が高まりました。
専門的な商品にはそれなりの知識や経験が必要なのですが、それを薄めるような商品化をしてしまうので、買う側にリスクが分からなくなっているのです。
また、専門化した商品はその専門内では強いのですが、想定を超えた状況にはもともと対応しづらい商品になってしまっている点が重要です。
一つ例を挙げると、戦前の日本陸軍は仮想敵国をロシアとしていたので、寒冷地での戦闘に強い軍隊を作っていました。ところが、日中戦争から太平洋戦争にかけて東南アジアから太平洋地域に戦線を拡大することとなりました。陸軍が南方に持参した多くの武器は寒冷地対応だったので、暑くて湿度の高い地域ではあまり役に立たなかったそうです。
金融商品も、例えば下がりそうな株をカラ売りして上がりそうな株を買う(但し、データに基づいて相性のよい組み合わせにする必要がありますが)とすると、相場が上がっても下がっても利益が出るような理論があります。この場合、市場が安定して推移しているときには理論道理の結果をおそらく生むでしょう。しかし、想定を超えてしまうと全く理論どおりにはいかないそうです。その想定を超える事態とは、商品の解約が殺到することです。
解約が殺到するとカラ売り解消の買いをしながら、前に買った証券を売らなければならなくなり、買ったとたんに売られてどんどん価格が下落していく下落スパイラルになるのだそうです。それが先週各国で発生した株価暴落の一番の原因です。
人生、想定を超える何かが起きることはあります。できれば、なるべく想定を越える何かを想像しておくのがよいのでしょうが、誰でもできるわけではありません。
自分の手段が「あまりにも特殊な手法だけに偏っていないか??」ということを自問し続け、なるべく応用がきく手法を選んでいくということを考えたいと思いました。
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