2007年08月31日(金) |
匿名では利用できないサービスの増加 |
(日本)匿名では利用できないサービスの増加
これまで匿名で利用できたサービスが個人情報を提出しないと利用できなくなってきている。匿名性を隠れみのにした事件の防止などが企業側の目的。利用者としては「一度流出した情報の二次利用を防ぎたい」と複雑な気持ち。 実例1:免許証を出して会員にならないと利用できないネットカフェ 実例2:番号非通知のフリーダイヤルはお客様相談室につなげなくした時計のセイコー 実例3:番号非通知だと予約を受け付けないタクシー会社 (8月28日付 日本経済新聞)
戦略ポイント:匿名性を排除しすぎると利用者は減る
日経によると、あるネットカフェは完全会員制に移行したが、来店後に個人情報の提出が必要と聞いて帰ってしまったお客が一ヶ月間で1200人にもなったとのこと。理由は「住所や氏名と、閲覧したサイトの情報が結び付けられるのではという不安感が強い」ことだそうです。
利用者としては、「一度流出した情報の二次利用を防ぎたい」というのと、「自分が見たサイトまでトレースされたくない」という気持ちがあるので匿名性を排除されたネットカフェは利用しづらくなるのはよく理解できます。
ネットカフェ側にとっては、個人情報の二次利用を絶対にしないさせないシステム配備をきちんと説明しながら、匿名性による犯罪防止への協力を常にお客様に求めていく真摯な姿勢が大切となるでしょう。
上海では、ネットカフェ利用時には18歳以上であることを証明するために身分証明書の提出が決められているそうです。しかし実態は、利用者の利便性を考えて成人であることが明らかな場合は提出させないことが多いそうです。
では、相手が番号非通知だとサービスを受け付けないという状況はどうでしょう?電話の番号通知サービスはここ10年くらいで普及してきたもので、それ以前は通知さえできませんでした。通知されることに慣れてしまった企業が、自らの効率を上げるために非通知者にはサービスの提供をしないというのはいささか自分勝手すぎるような気がします。仕方なくサービスをしているかのような印象を与えてしまうでしょう。
上海でも番号非通知サービスはありますが、非通知にしている人はまだかなり少ないようです。逆に、レストラン予約の際に確認のための携帯番号を教えるのですが、後日レストランからショートメールで割引やプロモーションの案内が来るのには閉口しています。上海では個人情報の二次利用をしないシステムの導入がまず必要なのではないかと感じています。
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