Skipper Johnの航海日誌

2007年09月04日(火) 中国産食品の安全性について

中国産食品の安全性について

厚生労働省によれば、中国産食品の輸入届出件数に対する残留農薬発見などの違反件数は0.6%で、米国からの輸入品1.0%より低い。同省は「輸入量を考慮すると違反率は高くない」としている。
(9月1日付け 日本経済新聞)。

戦略ポイント:イメージ回復の切り札は必ず見つかる

中国産食品や玩具、日用品の安全性に対する不信感が世界的に高まっています。中国だけが悪いかのようなイメージが先行していますが、このデータが示すとおり、中国産食品の残留農薬の違反件数は米国からのそれより低いわけです。

日本の消費者としては、「監視の網をすりぬけた物が出回っていると疑う人が多い(日経新聞)」という気持ちが強いのもよくわかります。トレーサビリティがしっかりしていないので、いったいどの中国産野菜が安全なのかは分からないのが現状です。しかし、価格競争力や輸入量を考えると中国からの食品輸入をやめるわけにはいきません。

記事によると食品輸入の管理体制は年々厳しさを増し、検査費は生産・や輸入サイドに負担させることがほとんどだそうです。つまり小売側は検査費の負担は一切しない流通習慣なのですね。これは本当に消費者が望んでいる流通体制なのでしょうか?

上海で暮らす多くの日本人も、価格以上に安全・安心を優先して食材や消費財を買っています。中国でも安すぎる商品は不安感がぬぐえないからです。おそらく現在の日本でも、安心できる食材を求める声はどんどん大きくなっていると想像できます。

中国の生産側にはしっかり管理して安全な商品を生産してもらい、日本の流通サイドは安心できる食材のトレーサビリティを明確にして、少々高くなっても安全性を明示して買ってもらう工夫が必要になってきました。中国側の農場名や生産者名、農場の特徴やポリシーなどをスーパーの棚で表示できないものかと思います。「ワケがあって少し高い商品」でも買いたいお客様は日本にはかなりいるのではないでしょうか。

中国政府は改めて日本の流通業との協力関係を見直し、すぐにでも「安全な中国食品」を証明し日本市場内でキャンペーンを打つ必要もあろうかと思います。イメージを失墜するのは一瞬ですが、回復するには長い時間がかかります。このあたりのマーケティング手法は中国政府がまだ不慣れなところですので思い切った対策を期待したいところです。


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Skipper John