Skipper Johnの航海日誌

2007年09月23日(日) 中国・再生可能エネルギー 2020年には全エネルギー消費の15%へ引き上げ

中国・再生可能エネルギー 2020年には全エネルギー消費の15%へ引き上げ

中国国家発展改革委員会は2020年までに総額2兆元を投資して全エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を現在の8%から15%にまで引き上げる目標を明らかにした。
(9月13日 21世紀経済報道)

戦略ポイント: 風力発電に可能性を探る中国

ここでいう再生可能エネルギーとは、水力発電、バイオマス発電、風力発電及び太陽エネルギー発電の4種類を指しています。同記事によれが、このうち2020年の段階で最も発電能力を期待されているのは水力発電の3億キロワット、ついでバイオマス発電の3000万キロワット、風力発電の3000万キロワット、そして太陽エネルギー発電の180万キロワットです。

こうして見ると、中国ではバイオマスや風力による発電に大きな比重を置いていますが、太陽エネルギー発電はコストが高いせいかあまり期待していないように感じます。また、水力発電も中国内の大河と呼ばれる大水系の河川の水は工業や農業用水へと大量に利用されていてダムによる水力発電も頭打ちが見えていると専門家が述べています。

バイオマス発電に関しては、先日もこのブログで紹介しましたとおり、中国政府はトウモロコシによるバイオエタノールの推進を暫時ストップし、食料として利用する方向を打ち出すなど、バイオマス発電についてはまだマイナスの要因も多く抱えています。また、太陽エネルギーの活用も、パネルに必要なシリコン原料の高騰で、なかなか推進しづらくなっています。

そうすると大きく期待がかかってきているのが風力発電です。中国の2005年末の風力発電総量は126万キロワットとまだ少なかったものの、2008年には500万キロワットの発電がすでに見込まれているとのことで、今後更に風力発電能力の拡大が大きく期待されています。また、甘粛や新疆の砂漠地帯には強風が吹く地域があり、西部地域開拓の貴重な電力源として開発に拍車がかかっているようです。

翻って日本の再生可能エネルギーの開発はもっとお粗末です。日本原子力文化振興団の予測によれば、2015年での日本の再生可能エネルギーは水力が9%、地熱及び新エネルギーで1%未満と、両者を合計しても10%ほどです。また、2015年では原子力エネルギーが43%になるとも予想していて、日本においても再生可能エネルギーによる電力供給はかなり限界があるという感じが明らかになっています。

電力は今のペースでは永久に供給することが困難であることは自明の理です。一人一人がより電気を使わない生活を考えて行かなければならなくなってきているようです。


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Skipper John