部下を殺すな! - 2008年01月04日(金) むかしの話。 私がまだ若く救助というものがなんとなく解りかけてきた頃の話。 いつものように、朝から訓練開始。 当救助隊の訓練は、当直あけの非番日に訓練を実施していた。 訓練内容は、5名で低所から高所へ高所から低所へ、そして濃煙内への進入と幾多の障害を突破していく過酷な訓練である。 一通りの訓練を終了し、その隊が休憩をとるため、高所からの降下を開始した。 その中の一名が他隊の設定ロープを安易に借り降下し始めた。 とその時、固定されていないロープを使用したため、隊員は7メートル下のマット上に転落してしまった。 私は、別の隊を指導していて、ふと振り向いたとき目の前でその隊員が転落していく様を見た。 そして、今でもその事が脳裏に焼き付いて離れない。 即座に隊員の所に行き、負傷部位を確認する。 隊員はいたって元気だ! ほっと安心したのもつかの間だった。 隊員の脇に手を差し出し介添えした時、何やら変な違和感がした。 血だ! 出血しているではないか! 即、隊長が同乗し、救急車で病院に搬送する。 マット上に転落した際、バウンドし脇にポールが刺さったのだ。隊員の怪我は、数日の入院で無事完治し退院した。 話の重要性はこれからだ。 病院に付き添った隊長は、駆けつけた家族に事情を説明した。 その時、その隊員の小さな子供が「パパ死んじゃうの?」って隊長に問いただしたとき、ハッとし声もでなかったと・・・・ そして、小さな子供にこのような言葉は、今後二度と言わせたくない! と・・・・ 言わせないためには、安全に対する再教育と環境整備が必要だ! 事故があってから防止策を考えるのではなく、事故を予知予測して回避する安全の先取りが必要だ。 この事故が起こってから15年位い経っただろう。 今では、安全に対するマニュアルも整備され、怪我もなく訓練に励んでいる。 もうそろそろ、自分自身にも“活”を入れなくっちゃいけません。 “部下を殺すな!”って・・・・・・・ ...
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