Lookback...ふぉーる

 

 

なぜここに・・・ - 2008年02月11日(月)

某高等学校へ心肺蘇生法の指導に出向中、携帯無線機に火災の予告指令が入る。
学校へは「災害が発生したときには指導は中断いたします」と予め連絡してあるため指導には問題なく出動準備に入る。

『火災指令 ○○市○○建物火災 第二出動』
この地区は、住宅及び店舗が建ち並ぶ密集地域で旧東海道の宿場町である。
当然私の隊は出向中であるため、現着は他隊より若干の差はあると覚悟する。

車内では水利箇所を確認し、機関員にその旨を指示・・・
と、その時他隊より
「煙発見!」の認知情報が入る。
現場に近づくにつれ黒煙が目の前を覆う。
現場直近の消火栓に部署。
即座にホースカーによるホースの延長を指示し、建物の一階より内部進入し防御態勢に入る。
他隊は建物外部からの延焼防止を図りながら防御に入る。
救助隊は人命検索に入り、要救助者有無の確認後三階部分の注水態勢に入った。
建物は三階建て店舗兼住宅で二階より出火したものと思われ、三階部分に延焼中であった。
救助隊は三連はしごを二階部分に架ていし、さらに三階のベランダに架ていする。
窓からは黒煙が吹きだし、我々の進入を阻んでいる。
救助係長から空気呼吸器の面体着装を隊員に指示、空気呼吸器の残量を確認し屋内進入の命が下った。
内部進入の隊により二階部分は鎮圧され、さらに三階部分は救助隊により火勢鎮圧が図られた。
ほぼ鎮圧された頃、屋内に進入し各部屋を検索中のことであった。
布団が敷かれ、人間らしきものが寝ているように・・・・

「そんな馬鹿な!家族に逃げ遅れ者はいないとの情報はとったはずだ!」

しかし、目の前にあるのは・・・
近づく・・・・

「頭部だ・・・髪の毛もある・・・・」

額らしきところから布団に覆われている。
その旨を署長に報告。
救急隊の要請指示が入る。
布団を一枚剥がすが、この時点でもまだ顔は隠れている。
胴部分、足部分・・・・
輪郭が判明する。
この時点でも人間だと判断・・・
顔の確認に入る。
頭部を押さえる・・・・柔らかい・・・

「ん・・・・」
「なんだー?」

顔面確認・・・覆っている一枚を剥がす
「マネキンじゃないか!」
「救急隊の必要なし!」

なぜ、ここに布団に寝かされた人形がいるのか・・・・
この建物は現在泊まる者がいなくて、泥棒よけに人形を寝かせてあるとの情報を得る。

あぁ・・・なんたることだ!




...




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail