こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2008年12月15日(月) 抱かれない日


 その日、私は仕事の研修のための打ち合わせがありました。

 彼はオフィスで待っていてくれているものと思い、

 私は途中で電話やメールで連絡をしませんでした。

 ところが、彼は既にオフィスを出て立体駐車場に車を止めて、

 私を待っていました。

 待ち切れずに彼が送信したメールを受け取った時、

 前日に私が打ち合わせが終わると告げていた時間よりも

 1時間が経過していました。

 彼を1時間も車の中で待たせてしまったのです。



 私が駐車場に着いた時、彼は明らかに不機嫌でした。

 とりあえず助手席に乗り込んで、彼に何度も謝りました。

 それでも彼はご機嫌ななめだったので、彼の頬にそっとキスをしました。

 彼はその日のディナーのために

 素敵なイタリアンのレストランを予約してくれていたのです。

 彼にはもう1つ謝らなければいけないことがありました。




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 彼のご機嫌がますます悪くなる前に、

 私達は気分を変えて美味しいものを食べることにしました。



 車を駐車場に置いて、彼はタクシーを拾いました。

 後部座席に二人で座りました。

 彼は運転手さんに行き先を告げると、

 私の左手をギュッと握り締めました。



 そのレストランはオープンしたばかりで、

 シックな店内には沢山のお花が飾られていました。

 そのお店で働いてる30代の女性は

 以前私達が初めてデートしたお店で働いていた人でした。

 私達はカウンターの端っこに座りました。

 1時間も待たされた挙句、その夜は私を抱けないと知らされて、

 彼はちょっぴり意地悪モードでした。

 あまり意地悪を言われると悲しくなってくるけれど、

 それだけ求められていると思えば、女としては本望なのかもしれません。
 

 「今日はやけに毒舌ですね〜。

  何かあったんですか?^^」


 いつになく口の悪い彼に、お店の女性が半ばからかうように尋ねました。


 「私が1時間も待たせちゃったんですよ。」


 彼の代わりに私が答えました。


 「車の中で1時間なら大したことないじゃないですか。

  美味しいものを食べて、機嫌を直して頂きましょうね。^^」



 彼は私に軽い毒舌を吐きながらも、

 いつものように私の好みを考慮しつつ、

 色々なメニューをオーダーしてくれました。



 ワインが進むと、私も饒舌になり、

 いつの間にか彼の毒舌に応戦していました。


 「もう1組のカップルいつの間にかいなくなっちゃいましたね。」 


 「まだ、気がつかないの?

  食事は切り上げて行くべき所へ行ったんでしょ?当然…。」


 「あ…そっか。」


 「俺達は無理だけどね。」


 「すみませ〜ん。」


 「許さない。」


 「怒ってますか?」


 「だから、怒ってるっつーの。」


 大人気ない彼にちょっと苦笑。^^;



 お店を出る頃にはもう12時を回っていました。

 私にも彼に抱かれたいという気持ちはあったけれど、

 それは無理なので、せめてキスがしたいと思いました。

 その気持ちが彼に通じたのかもしれません。

 彼が私をタクシーに乗せ、しばらくすると、

 彼から携帯電話に着信がありました。

 マンションに着いてから彼にかけ直しました。


 「今どこにいるの?」


 「あの後、バーに来て飲んでる。」


 「別れた後に電話なんて珍しいですね。どうしたんですか?」


 「別れ際、俺に襲われたそうな顔してたから。(笑)」


 「実は襲われたかったです。^^」

 
 「今からこっちに引き戻す?」


 「いえ、それは無理ですよ〜。(笑)

  また今度ね。^^」


 「そっか。」


 「今夜は私も我慢して悶々としながら寝ることにします。^^」


 「いいねぇ〜。その悶々というのが。(笑)」


 「今日のお詫びに、セクシー画像送りますよ。^^」


 「俺も後でメールするから。」



 帰ってから彼にキャミ姿で胸元ちらりの画像を送りました。

 彼にそんな画像を送ったのは初めてでした。


  エロくて綺麗だよ。

 
 口の悪い彼には珍しい褒め言葉でした。

 抱き合えなかった分、相手への想いを胸に抱きつつ眠りについた私達。

 たまにはSexしない、こういうデートもいいかなと思いました。^^


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理沙子

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