あの人が吐き捨てるように口にした私への言葉。
普段は忘れているけれど、
ふとした時に耳元で何度も何度もリフレインするのです。
あの人からあれほど冷酷な言葉を引き出したのは私なのでしょうか。
私も同じようにあの人を傷つけていたのでしょうか。
あの人との恋のトラウマを彼に話したら、
「言った当の本人が忘れてしまっているかもしれない過去の言葉で
苦しんでも仕方がないよ。」
と彼が言いました。
「急に冷められたら辛いから、
私に関心が無くなったらすぐに言ってね。」
「じゃあ、今から徐々に苛めておこうか。(笑)」
「どんなことで男の人は女に飽きるの?」
「それは相手によるよ。」
「私だったら、どんな理由でTさんに飽きられる?」
「そんなの、全くわからないよ。(笑)」
「今好きだからでしょ。」
「そうだよ。」
「あの人も最初はそう言ってた。
自分から私を嫌いになることなんてありえないって。
きっと自分の方が飽きられて、捨てられるんだろうって。
あなたは女性に振られたことがないような気がする…。」
「俺だって振られたことはあるよ。 「私とあの人は散々言葉で傷つけ合ったから。
どうして私はそうなってしまうのかな。」
「それは貴方の生い立ちとも関係があると思う。」
その言葉を聞いて、実母を幼い頃に亡くした彼の家庭環境を
思い出しました。
彼は幼少時代から気持ちに蓋をすることに慣れていたのでしょう。
あの人と私は…こうなって仕方がなかったのかもしれません。
7年という年月にピリオドを打つには、
とことんまで傷つけ合うしか方法がなかったのでしょう。
使い古しのボロボロのシャツにも愛着があります。
そのシャツを捨てるにはまだ少し時間がかかりそうです。
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