彼と付き合い始めてからまだ半年も経たないけれど、
お互いに少しずつ馴染んできた部分があると思います。
過去の恋に学んだように、すっかり馴染んだとお互いに思う頃は
飽き始める頃でもあるから気をつけなければと思うのです。
お互いに相手の感情が完全には読めない位でちょうどいいのだと
思うのです。
想いは想いのまま胸に秘めておくのがいいと思っています。
口に出したらそれは重苦しい嘘のように聞こえるから。
おかしなもので愛の言葉はどこか嘘に聞こえるからこそ、
何度も繰り返し確かめずにはいられないのです。
私は会えば冗談ばかり言っている彼が好き。
別れ際には携帯電話のスケジュールに
次のデートの予定を入れてくれたり、
私のグラスが空くとすぐに次の飲み物を注文してくれたり、
食後のデザートを私のためにオーダーしてくれたり、
自分が半分かじったチョコレートを私の口に放り込んだり、
一つのスプーンで二人でアイスクリームを食べたり、
横断歩道を急いで渡る時にはそっと手を繋いだり、
ベッドで私を強く抱き締め、一緒にいこうと囁いたり、
抱き合った後にずっと腕枕をしてくれたり…。
彼が与えてくれるこれらの全てのことよりも
「愛している。」の一言が素敵だなんて思えないから。
火曜日から彼は海外に行ってしばらく会えないので、
週末はいつもより長い時間を彼と過ごしました。
私達はランチの後に映画を観に行きました。
それからホテルでゆっくり夜まで過ごしました。
9時頃になって私達は行きつけの和食のお店に飲みに行きました。
彼にしては珍しくカウンターではなくテーブルを選びました。
彼はビール、私は白ワインから始まって、
その後注文した赤ワインのボトルももうすぐ空になる頃、
彼が声のトーンを抑えて言いました。
そのお店での私達の会話は、
誰が聞いても愛し合った後の二人のものだったからです。
|