こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年10月21日(水) 紅葉を探しに


 自然公園には美しい山々に囲まれた大きな湖があり、

 湖の中には大小幾つもの島々があります。

 私達が訪れた週末は丁度その周辺の紅葉の見頃でした。
 
 観光バスが入れないような山道を車で登っていくと、

 空き地のような駐車スペースがありました。

 私達はそこに車を止めて、さらに細い山道を徒歩でのぼりました。

 道が凸凹していて歩きにくいので、彼が手を繋いでくれました。

 5、6分ほど歩くと穴場スポットとも言える展望台があり、

 そこからの眺めはまさに絶景でした。

 赤、黄、橙と色鮮やかに染まった山々と青い湖のコントラストは

 溜息が出るほどの美しさでした。




 自然公園を出ると、車は二日目のホテルに向かって走りました。

 ドライブの途中で彼は一人で車を降りると、

 全国駅弁人気ランキングで毎年トップになるという『いかめし』を

 買って来てくれました。

 車の中で早速包みを開けて、彼と一つずつ食べました。

 病み付きになりそうな素朴で優しい味でした。




 4時頃、私達は大自然に囲まれたリゾートホテルに到着しました。

 彼がマウンテンビューのお部屋をリザーブしてくれていたので、

 広い窓からは美しい山の景色を間近に見ることが出来ました。

 夕食前に館内の源泉かけ流し露天風呂へ行こうと話していたのに、




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 彼は放送が終わるまでずっとテレビの画面に釘付けでした。

 放送が終わると、彼はようやく浴衣姿で待っていた私に気付いて、


 「よく似合うよ。」


 と言ってくれました。(笑)




 私がお風呂から戻って来ると、

 彼は既にお部屋で湯上りのビールを飲んでいました。

 私が新しい下着をお部屋に忘れてお風呂に出かけたので、

 浴衣の下に何も着けていないことを彼に話すと、

 後ろから羽交い絞めされました。^^




 食事に出かけるために私がワンピースに着替え、

 洗面台の鏡の前で髪を整えていると、


 「俺も着替えようかな。

  綺麗なお嬢さんに釣り合うように。^^」


 と彼が言いました。

 彼は着ていたカジュアルなシャツをシックなものに着替えて、

 黒のジャケットを羽織りました。


 「Tさんはダンディですよ。^^」


 鏡の中の彼を見て私は言いました。




 日本料理のレストランで彼と食事をしながら、

 5月の初めての旅行の時と比べて

 私達の関係は随分変わったと思いました。

 あの時の私達は今よりもっとロマンチックだったような気がしました。

 最近はお互いに冗談ばかり言い合っている私達。

 安心感、信頼感は確実に増しているけれど、

 ドキドキする気持ちは少しずつ薄れているような気がしました。

 彼の優しさはいつも変わらず、それがあまりにもさりげないので

 私はいつの間にかそれに慣れてしまっているけれど、

 ささやかな幸せにも感動する気持ち、

 感謝する気持ちを忘れずにいたいと思いました。


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理沙子

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