朝、彼の明るい声で目が覚めました。
彼は窓際に立ち、ホテルの前のゴルフ場を眺めていました。
私達のお部屋の大きな窓からは
広大なグリーンで宿泊客達がプレイしている光景が見えました。
彼は自分も今すぐにゴルフを始めたくて仕方がないような様子でした。
私はまだベッドの中にいて、
朝からゴルフのことで頭がいっぱいになっている彼のことを
ちょっぴり不貞腐れて見ていました。
しばらくすると、彼は、
「俺、お風呂に行って来るよ。
理沙子は行かないの?」
と私に聞きました。
「私は深夜に入ったから、もういいかも…。」
彼はシーツに包まっている私に顔を近づけました。
「Tさんがお風呂から出て来るまでに着替えてますね。^^」
「何でもう着替えるんだよ!」
「朝食に間に合わなくなるでしょう?」
その日は遅くとも11時までにはチェックアウトをして、
午後2時までに市内の動物病院へ
岳を迎えに行かなければなりませんでした。
「まだ時間はあるだろう?
着替えるなよ。」
彼が部屋を出た後、私も浴衣を羽織りお風呂に出かけました。
お風呂から戻ると、彼はベッドの上に寝転んでいました。
私は彼の腕の中に滑り込みました。
朝の眩しい光がダブルベッドに差し込んでいました。
彼が私の黒いキャミを脱がそうとしたので、
「明るくて恥ずかしい…。」
と言いました。
「カーテンを閉めようか?
閉めても明るいと思うけど。^^」
いつもはシティホテルで抱かれているから、
大きな窓のあるリゾートホテルの室内は
やけに明るく感じられるのでした。
カーテンを閉めて私の所へ戻って来た彼は
もう一度私を抱き寄せました。
私達は残された少ない時間を惜しむかのように愛し合いました。
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