こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年10月25日(日) 世界で一番綺麗な夜景


 「今まで何処の夜景を見たことがある?」


 黄昏時の展望台で彼が私に尋ねました。

 その場所は夜景が美しいことで有名でした。


 「函館、長崎、神戸、横浜、それから香港…。」


 「その広がりで言ったら、

  神戸や函館よりも綺麗な夜景が見られる場所があるよ。」


 「エンパイア・ステート・ビルから見た

  マンハッタンの夜景よりも綺麗なの?」


 「マンハッタンなんてそんな小さなもんじゃないよ。

  今度見に行くか?^^」


 「うん。^^」


 「来週行こう。Next week!^^」




 旅行中の約束どおり、翌週のデートの日、

 彼にとって最高の夜景を見に連れて行ってくれました。

 車が山道を上っていくにつれて、

 私の右側の視界に光の瞬きが飛び込んで来ました。


 「右を向くなよ。

  上に着くまで我慢していなさい。」


 「は〜い。^^」


 「凄く綺麗だから、理沙子はきっと騒ぐだろうな。(笑)」


 「あはは。^^」


 ホテルで彼に抱かれた後、

 ベッドでまどろんでいた私を外に連れ出したのは彼でした。

 彼はいつでも有言実行の人です。




 駐車場に車を止めて、展望台まで急な坂道を上りました。

 彼はいつものように手を繋いでくれました。

 坂道を上った後に、さらに展望台の階段を上りました。

 私は途中で息を切らしながら上りましたが、

 一回り近く年上の彼の方が平然とした様子でした。

 展望台の屋上に上ると、

 宝石箱をひっくり返したように光り輝く夜景が見えました。


 「綺麗…。

  信じられない光の数ですね…。」


 「だろう?^^」


 「今までに見た夜景の中で一番綺麗です。」


 「広がりが違うだろう。^^」




 夜景を見た後、私達はお寿司屋さんへ行きました。

 いつものように彼の贔屓の板前さんとお喋りしながら食事しました。

 この日は寒かったので、彼が鮟鱇鍋を注文してくれました。

 店内ではプロ野球中継が放送されていて、

 彼の故郷のチームが勝っていました。

 かつては彼の故郷には地元チームは無く、

 巨人ファンが圧倒的に多かったそうです。

 でも今では誰もが地元チームを熱狂的に応援しています。


 「もし日本シリーズで巨人と戦うことになったら、

  どちらを応援するかジレンマに陥ったりしないのかしら。」


 「それはあり得ないだろう。

  地元の野球ファンにとって巨人は元カノみたいなもんだからな。




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 彼はただ例え話をしたに過ぎないのに、

 私は彼のその言葉に嬉しくなりました。

 最後に彼が注文してくれた雲丹の握りを頂いてから、

 隣に座っている彼の方を見ました。


 「美味しかった。^^

  もうお腹いっぱいです。」


 「もう何も食べられない?

  あとはTさん(彼の名前)しか食べられないか。(笑)」


 「うん。^^

  なんて、私、18禁の顔してないですよね。^^;」


 「大丈夫だよ。^^」




 ホテルのお部屋に戻ってベッドで彼とキスをした時、


 「今の理沙子、18禁の顔してた。^^」

 
 と彼に言われました。

 それはきっと私が彼と二人きりの時だけに見せている

 恥ずかしいほど無防備な表情なのでしょう。


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理沙子

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