こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年12月16日(水) 彼の言葉


 誕生日の翌朝、目覚めたばかりの身体で彼と繋がりました。

 その後は洋服に着替えて、のんびりお部屋で映画を観て過ごしました。



 お昼少し前に車で天麩羅屋さんへ行きました。

 彼は天丼、私は天麩羅定食、

 そして海老の天麩羅を4本追加でオーダーしました。

 食事が終わると、

 彼は私の向かい側の席でずっと携帯電話をいじっていました。

 こういう時は大抵、彼が今度のデートのホテルやお店を

 チェックしている時だと分かっているので、

 私は黙って彼が私に話しかけるのを待っていました。

 前の恋のトラウマがあるから、

 初めの頃は彼が私と一緒にいる時に

 携帯電話を操作しているところを見ると心がざわざわしたけれど、

 今ではそのようなことはほとんどありません。

 彼が私に何か情報を見せたい時は、

 私に自分の携帯電話を操作させることもあるし、

 ベッドで寝転びながら、一緒に彼の携帯電話の画面を見ていることも

 しょっちゅうだからです。

 以前、私達がお酒を飲みながら食事をしていた時に、

 彼の携帯電話に女の人の名前でメールがありました。


 「女の人の名前だ。」


 と私が言うと、


 「女の名前なんていっぱいあるよ。」


 と彼はさらりと言った後で、

 そのメールの送信者が彼の高校時代のバスケ部のメンバーで、

 顧問だった先生から彼女とペアで今度の同窓会の幹事を頼まれている

 という話をしました。

 そんな風に彼は彼の交友関係や私と会っていない日の行動を

 何でも私に話してくれるのでした。

 最近では彼の方が、


 「俺、そんな話までしたっけ?」


 と私に聞くほど、私は彼のことを知るようになりました。^^




 ホテルのお部屋に戻ってから、二人で映画の続きを観始めたけれど、

 私は途中で眠くなって寝てしまいました。

 映画が終わると彼もそのまま眠ってしまったようで、

 二人が目覚めた時には外はもう薄暗くなっていました。

 彼はこの日、私の誕生日に予約しようとして出来なかった

 ワインと串焼きのお店にディナーの予約をしていました。

 ベッドの上で二人でじゃれ合っているうちに

 お互いの身体が欲しくなって来ました。

 彼は何も付けずに私の中に入って来ました。

 
 「赤ちゃんが出来ちゃう。」


 「大丈夫だよ。こうしてるだけだから。

  凄く気持ちいいよ…。」


 私達はお互いの体温を確かめるように穏やかに抱き合いました。




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 この後、私達は彼が予約してくれたお店に出かけました。

 日曜日の夜だというのに、私達がいつも座るカウンターはカップルで、

 カウンターの後ろにあるテーブル席はグループ客で一杯でした。

 私達は美味しいワインと串焼きを頂きながら色々な話をしました。

 彼は私に沢山食べるように勧めました。

 どう見ても彼は私のお皿の方にお料理を多く取り分けていたので、


 「こんなに食べたら太っちゃいますよ。」


 と私が言うと、彼は、


 「太っていいから。

  どうせ後で消化するんだから。^^」


 と悪戯っぽい目で囁きました。




 二人ともワインで少し酔っていました。

 お部屋に戻ると、彼が先にシャワーを浴びました。

 部屋着を羽織って出て来た彼が、

 服を着たまま立っていた私をきつく抱き締めました。


 「大丈夫だ。ちっとも太ってないよ。」


 熱い舌が絡み合い、吐息がこぼれました。


 「駄目、濡れてきちゃう。」


 「理沙子がそう言う時には、もうとっくに濡れてるんだよ。」


 「溢れちゃう…。」


 「溢れたら、俺が吸い取ってやるから。

  さぁ、早くシャワーを浴びておいで。」




 彼はこの夜、私を好きな気持ちは元カノを好きだった気持ちよりも

 強いと言いました。

 以前、同じことを聞いた時にはそれは比べられないと言っていたのに…。

 欲しがっている時の男の人の言葉なんて

 まやかしみたいなものなのかもしれません。

 でも、彼がお気に入りの赤ワインを飲みながら、


 「前の時はこんな風に昔話をすることも無かったし、

  こういうものを贈ったことも無かったよ。」


 と私の左の薬指に光るものを指して言ったあの時の言葉は、

 きっと本当なのだと思いました。


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理沙子

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