朝、目が覚めたときから、
もうすぐルナが始まりそうな予感がしていました。
彼とランチの後に映画を観に行きました。
その後、ホテルのお部屋で彼と抱き合いながら、
「この前会ったばかりだけど、会いたかった?」
と聞かれました。
数日前にお泊りデートをしたばかりだったので、
今回のインターバルはとても短かったのです。
「うん…。Tさんは?」
「会いたかったよ。」
ルナが始まりそうなことを彼に告げると、
彼はすぐに私と繋がりたいと言いました。
ベッドの中で私が彼のものに触れると、
と彼が言いました。
愛し合った後、白いシーツの上に出血は無かったけれど、
予想したとおり、セックスの刺激でルナが始まりました。
今度彼に会うクリスマスイブにぶつからないように、
予定日よりも少し早く来てくれたようです。
夜は彼とカウンターだけの小さな焼肉屋さんへ行きました。
ビールを飲み、目の前の鉄板で肉を焼きながら、
私達は昼間に観た映画の話をしていました。
お店の大将も相当な映画好きらしく、
途中から私達の会話に加わりました。
彼と大将が古い映画の話で盛り上がっている様子を見ていると、
お酒も食事もより一層美味しく感じられるのでした。
焼肉屋さんを出ると、外は凍えるような寒さでした。
いつものワインバーへ行くために交差点を渡る時、
彼はさっと私の左手を彼のコートの右側のポケットに入れると、
彼の右手でぎゅっと握り締めました。
ワインバーでは彼は赤ワイン、
私はシャンパンのカクテルを飲みました。
彼が以前通っていたというバーの話になりました。
自分から聞いたくせに
彼がよく元カノと一緒にそのお店へ行っていたことを知って、
思わず切ない気持ちになるのでした。
既に何度も聞いたことのあるそのバーの話。
今はもう行くことがないという、そのバーを思い出す時、
彼は元カノのことも同時に思い出していたのでしょうか。
ホテルのお部屋に戻る廊下を歩きながら、彼が言いました。
「そんな酔い方をするなんて、良い酒飲みとは言えないな。」
「何だか引っかかるんです。」
悲しさとやるせなさが入り混じった気持ちで私が呟きました。
「自分から話を切り出しておいて…。」
彼が私に優しければ優しいほど、
彼が私を強く抱きしめれば抱きしめるほど、
元カノにも同じようにしたのだと思い、胸が苦しくなるのでした。
ベッドで彼と抱き合い、キスをしました。
「ねぇ、好き?」
「大好きだよ。
いやらしい理沙子が好き。」
「一番好き?」
「一番好きだよ。」
「元カノより?」
「当たり前だろう…。
だからこうしているんだよ。」
嫌いになったから別れたわけではないという彼と元カノ。
第三者の介入が無かったら、
ずっと付き合っていただろうと彼は言いました。
この二つの事実を私は聞かなければ良かったと思いました。
恋が始まる時、
人は惹かれ始めている相手に自分の過去を打ち明けたくなります。
やがて二人の愛が深まった時、
その告白が相手を悲しませることになるとも知らないで…。
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