白い雪が降りしきるクリスマス・イブ。
公開したばかりの話題の3Dの映画を観た後に、
いつものシティホテルにチェックインしました。
彼は服を着たままベッドの上に寝転ぶと、
「そのままでいいから、こっちにおいで。」
と私を呼びました。
私も服を着たまま彼の隣に横になりました。
キスをして、触れ合って、吐息が交じり合いました。
「あんな映画を観に行かないで、ずっとこうしていれば良かったよ。」
と彼が言いました。
「本当ですね。」
その日、私達が観た映画はあまりにひどいもので、
彼が上映中に眠ってしまったほどでした。
「これからどうする?
食事に行く?
それとも、その前に別のことをする?^^」
「でも、7時に予約してるんでしょう?」
「そんなの1時間遅らせればいいさ。」
「でも、お腹すいた。^^」
私達は愛し合うことをしばらくお預けにして、
予約していたお寿司屋さんへ出かけることにしました。
「髪が乱れちゃった。」
私がドレッサーの前で髪を直していると、
「そんなことをしたって、
いやらしい顔をしているからすぐに分かるよ。^^」
と彼が笑って意地悪を言いました。
お寿司屋さんのカウンターで私達は、
「メリークリスマス!!」
と言ってグラスを合わせました。
彼は水槽の中の鯵をそのまま刺身にしてくれるように
板前さんに注文したり、
鰈の煮付けの美味しい部分を私に勧めてくれたりしました。
私達は美味しいお魚とお酒を頂きながら、
観たばかりの映画や二人が以前住んでいた横浜のことなど、
色々な話をしました。
熱心に話す彼の目を見ていると、
外の寒さが嘘のように心があったかくなるのでした。
この日、彼は1月のグアムへのゴルフ旅行のお土産の話をしました。
旅行に行く前からお土産の話をするなんて気が早い彼です。^^
と彼が言いました。
お土産を買って来てくれるということだけでもとても嬉しいのに、
彼とペアの時計を頂けるなんて夢みたいなことです。
彼は時計が好きで、海外へ行くとよく気に入った時計を買うそうです。
でも時計に限らず、
女性とペアのものを身に付けたことは今まで一度も無いそうです。
お部屋に戻ってから、彼に抱かれました。
静かなイブの夜に私達の甘い囁きだけが聞こえていました。
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