こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2010年04月10日(土) 彼のルーツ


 ワインと串焼きのお店で私達は家族の話をしました。

 年を取っても厳しい両親と甘えない長女の私。

 実家に帰っても寛げない私は、いつの間にか実家と疎遠になっています。

 そんな私と両親の関係について、


 「それは(親が)しっかりしているんだよ。」


 と彼が言いました。


 「確かに鬱陶しい位にしっかりしてるの。^^」


 「どっちも(親子とも)しっかりしているんだろうな。」


 「私が本当に辛い時に甘えられなかったから、

  両親を尊敬はしているけれど、愛情があるかどうか分からない…。」


 「愛情はあるんだよ。」


 彼は私の両親に会ったことはないけれど、

 彼の言い方には説得力がありました。

 彼は人には色々な愛し方があるということを理解出来る人です。




 それから、彼は母方の叔父さんの話をしました。

 彼のお母さんの弟であるその人は、

 彼が小学校低学年の時にお母さんを亡くしてからは、

 ずっと自分の子供のように愛情を注いでくれたそうです。

 彼のお母さんは長いこと入院していたので、

 彼には元気だった頃の母親の記憶がありません。

 彼が大人になってから、

 叔父さんは彼への愛情が綴られたお母さんの日記を彼に渡しました。


 「いつかは佐賀に行かなきゃいけないと思ってる。」


 佐賀は彼のお母さんの故郷です。

 彼は一度も佐賀へ行ったことがないそうです。


 「そこに俺のルーツがあるから。」


 「叔父さんと一緒に行こうと思ってるんでしょう?」


 「そう思ってたけど、なかなかお互いの都合が合わないからな。」


 「今度の冬に行きますか?

  もし私が一緒でも構わなければ。」


 「そうだな。沖縄より九州がいいな。^^」


 「九州は食べ物も美味しいし、温泉もあるしね。^^」




 お酒を飲みながらの話だから実現するかどうかは分からないけれど、

 彼のもう一つの故郷を彼と一緒に訪ねることが出来たら、

 それは私にとっても忘れられない旅になりそうです。


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理沙子

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