翌日は予報どおり良く晴れていたので、
私達は早起きして遠くまでドライブすることにしました。
車の中で彼はドライブマップを指差して、
「ここは俺が一番好きな道なんだ。」
と嬉しそうに言いました。
朝食抜きで出かけた私達はとてもお腹が空いていたので、
途中の『道の駅』で腹ごしらえしてから、再び車を走らせました。
しばらくして、私達は地元出身の農民画家の作品が展示された美術館に
到着しました。
とても小さな美術館でしたが、
私達は一つ一つの作品をゆっくり時間をかけて鑑賞しました。
美術館を出た後は地元の人が教えてくれたお蕎麦屋さんへ行きました。
ここまでで彼のドライブプランの半分は達成。
あとは彼が一番好きな道を通って市内のホテルへ戻ります。
昼食でお腹が十分に満たされたせいか、
出発前に飲んだ酔い止めの薬のせいか、
私は助手席でうとうとし始めました。
差し込む暖かな午後の日差しが余計に眠気を誘います。
これから彼が大好きな道を走るというのに、
激しい眠気に襲われてなかなか目を開けていることが出来ません。
「ほら、起きて。
白樺の並木、そして山。」
彼が大きな声で私を起こしました。
目を開けると、そこにはどこまでも続く一本の太い道がありました。
道の両側にはまだ葉を付けていない白樺がずっと先まで続いていました。
真っ直ぐな道の向こうには白い雪を残した春の山々が見えます。
かろうじて目を開けた私は、
携帯電話のカメラで彼が大好きなその道を撮りました。
画像を撮った後、再び私がうとうとし始めると、
「ほら、見て。
白樺並木、そして山だよ。」
と彼がまた運転席から声をかけました。
それでも目を覚まそうとしない私に彼がどうしたかと言えば、
運転席から右手を伸ばして、
少し乱暴に私の春物のプルオーバーの胸元に差し込みました。
その美しい道を通り抜けた後、車は高速道路へ入りました。
「もう寝てていいよ。」
彼のお許しが出たので、今度は心置きなくお昼寝させて頂きました。
ホテルに戻った時には既に午後6時を過ぎていました。
この日の走行距離は私達のドライブデートで最長だったそうです。^^
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