こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2010年07月20日(火) 恋の病


 ソファでテレビを見ながら彼とお喋り。

 キスをして、触れ合っているうちに、

 呼吸は乱れ、素肌は熱を帯び、身体の芯から濡れ始めました。

 お互いにどこか醒めていた数日前のセックスとは違って、

 体力の全てを消耗するほどの激しさで求め合いました。

 愛し合った後は、二人ともそのまま長いお昼寝に突入。

 私は高校時代の親友が出て来る不思議な夢を見ました。^^




 夜はワインと中国料理のお店に出かけました。

 彼がシンガポールの話をした時に、私が小さな焼餅を焼きました。


 「Tさんは小さい頃にお母さんを亡くしたから、

  一番愛する人を失った時のことを考えると怖いんでしょう。

  だから私のようなもう一人の女が必要なんだと思う。」


 「理沙子はよくそういうことを決め付けて言うよなぁ。

  しかも大抵見当違いだし。」


 「核心を突かれてドキッとしたでしょ。」


 「俺を不愉快にさせたいの?」


 「別にTさんが怒ってもいいですよ。

  男にとっては二番で女にとっては一番だから

  いずれは上手くいかなくなりますよね〜。

  それなら、いっぱい我侭言ってもいいでしょ。

  この際いっぱい飲むし、いっぱい食べます。」


 私は拗ねて、白ワインを飲み干すと、

 彼のお皿に残っていたインカの目覚めを奪いました。


 「可愛いよ。^^」


 彼が少し酔った目で私をじっと見つめました。


 「病んでるね。」


 「何の病気だよ。^^」


 「恋の病。」


 結局、彼は私の発言を肯定も否定もしなかったけれど、




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 実を言うと、私も自分の気持ちなんてあまりよく分かりません。

 気持ちは常に変化しているものだし、

 この時現れた私の焼餅だって正体不明のものだもの。




 私達がお店を出る時、外は激しい雨が降っていました。

 女性スタッフが「返さなくていいですよ。」と

 大きめのビニール傘を彼に手渡しました。


 「ほら。」


 彼が腕を差し出したので、私は自分の腕を絡めました。

 一つの傘で彼と寄り添って歩く雨の日が好きです。


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理沙子

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