ソファでテレビを見ながら彼とお喋り。
キスをして、触れ合っているうちに、
呼吸は乱れ、素肌は熱を帯び、身体の芯から濡れ始めました。
お互いにどこか醒めていた数日前のセックスとは違って、
体力の全てを消耗するほどの激しさで求め合いました。
愛し合った後は、二人ともそのまま長いお昼寝に突入。
私は高校時代の親友が出て来る不思議な夢を見ました。^^
夜はワインと中国料理のお店に出かけました。
彼がシンガポールの話をした時に、私が小さな焼餅を焼きました。
「Tさんは小さい頃にお母さんを亡くしたから、
一番愛する人を失った時のことを考えると怖いんでしょう。
だから私のようなもう一人の女が必要なんだと思う。」
「理沙子はよくそういうことを決め付けて言うよなぁ。
しかも大抵見当違いだし。」
「核心を突かれてドキッとしたでしょ。」
「俺を不愉快にさせたいの?」
「別にTさんが怒ってもいいですよ。
男にとっては二番で女にとっては一番だから
いずれは上手くいかなくなりますよね〜。
それなら、いっぱい我侭言ってもいいでしょ。
この際いっぱい飲むし、いっぱい食べます。」
私は拗ねて、白ワインを飲み干すと、
彼のお皿に残っていたインカの目覚めを奪いました。
「可愛いよ。^^」
彼が少し酔った目で私をじっと見つめました。
「病んでるね。」
「何の病気だよ。^^」
「恋の病。」
結局、彼は私の発言を肯定も否定もしなかったけれど、
実を言うと、私も自分の気持ちなんてあまりよく分かりません。
気持ちは常に変化しているものだし、
この時現れた私の焼餅だって正体不明のものだもの。
私達がお店を出る時、外は激しい雨が降っていました。
女性スタッフが「返さなくていいですよ。」と
大きめのビニール傘を彼に手渡しました。
「ほら。」
彼が腕を差し出したので、私は自分の腕を絡めました。
一つの傘で彼と寄り添って歩く雨の日が好きです。
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