こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2010年08月14日(土) 覚悟


 お盆休みの後半は二泊三日のお泊りデートをしました。

 二日目まではお天気が悪かったので、

 食事に出かける以外は

 ほとんどホテルのお部屋で映画を観て過ごしました。




 二日目の夜はお気に入りのお店でゆっくりお酒と食事を楽しんだ後、

 ほろ酔い気分でお部屋に戻りました。


 「今夜は朝まで何回もしよう。^^」


 とベッドで彼が言いました。

 私達はしばらくじゃれあっていたけれど、

 そのうち寄り添ったまま眠りについていました。

 夜中に私がいつもの癖で目を覚ますと、

 彼は隣で寝息をたてて眠っていました。

 私はベッドから起きて、洗面台でメイクを落とし、歯を磨きました。

 それから、バスルームでシャワーを浴び、髪を洗いました。

 ベッドに戻ると、目を覚ました彼に抱き寄せられました。

 私達は薄暗がりの中で愛し合いました。

 その最中に発した言葉を私自身は覚えていないけれど、

 私は彼に長く愛してくれることを求めていたようです。

 セックスの後、


 「理沙子、凄いよ。

  今までの男はみんな大変だったろうな。」


 と彼が呟きました。

 彼は悪気は無く独り言のように呟いたか、

 いつものように私をからかうつもりだったのかもしれないけれど、

 私は彼の言葉に傷つきました。

 でも、その一方で今まで誰にも十分というまで満たされた記憶のない

 自分の身体を冷静に見つめている私もいました。


 明け方、彼はもう一度私を求めたけれど、

 私達はしばらくまどろむように繋がっていただけで、身体を離しました。




 8時頃、彼は一人で部屋を出ました。

 彼は幾つかの仕事の用事を済ませ、

 二日間乗っていた乗用車を家のガレージに置いて、

 Gに乗って私を迎えに来ました。

 約束していた10時よりも30分ほど早い時間でした。

 私がお部屋でのんびりと出かける用意をしていた間に、

 彼が慌しく私とのドライブデートのためにしてくれたことを考えれば、

 彼が戻って来た時にもう少し彼を気遣う言葉をかけることが

 出来たはずでした。

 でも、私の大人気ない甘えの言葉と彼の無神経な言葉が衝突して、

 諍いになりました。

 一番の原因はその日の帰る時間を事前にきちんと話し合っていなかった

 ことなのだけれど…。




 ホテルをチェックアウトして、私がGの助手席に座ると、




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 帰りたいと言い出したのは私だけれど、

 それは決して本心ではありませんでした。


 「俺のこと、試してるだろう?」


 「試してないよ。試したことなんかないけど…。

  ごめんね。」


 「悪いけど、俺、今日はこんな気分でどこにも行きたくないから…。」


 彼の横顔はとても疲れているように見えました。

 彼の気持ちが取り戻せないほどに離れてしまったことは明白でした。

 私は別れを意識しました。


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理沙子

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