悩みは人生を充実させる/文集「人生の時」

2014年04月25日(金)    6

  大衆文学は、娯楽や気晴らし、癒(いや)しによって、
  私たちのこころを、癒してくれる。

34、想い出は/小さい子供のようだ
  安らかに眠っているものを/
  いたずらに/ゆり起さないことだ

35、(片思い)紫陽花が/少女のように/
  空を見上げている
  陽(ひ)にほほえんでいたり/
  雨にさびしそうだったり/
  週日/色をかえていく
  紫陽花は/手の届かなかった/
  君に似ている

36、(花うらない)おさげの少女は/
  きれいな指先で/花うらないをする
  花びらを/一枚づつ取り去ってゆく残酷さに/誰も気づかない
  (あなたも/そんな風に/何気ない仕草で/
  他人を/傷つけたことは/ありませんか)

37、(冬のある日)雲の切れ目から/二月の太陽がのぞいている
  めずらしくおだやかな冬の日の午後/
  私は暇にまかせて/散歩をした
  小高い山に/登りにいった
  ここには青春の日の想い出もある
  木漏れ日は/チラチラと光を放つ
  日陰は寒いが/日だまりは風もなくあたたかい
  そこで私は/幾時間かを過ごす/海も見える
  行き交う船を見ているのが楽しい/航跡が白い

38、一人/ポツンと部屋にいて/煙のように部屋にいて/
  やさしい歌ばかり聞いているのは/誰ですか
  僕のなかでは/望みうすき夜が/何年も続いているのです

39、(就寝)夜が静かな眠りに誘うころ/
  天空には月がある/星がある
  しずかな月と星に見守られて/子供は眠りにつく

40、一人/そこはかとない寂しさを/
  冬と夜が連れてきて/僕は静かに眠っている

41、(雪)止めどなく空から降ってくるのは/
  白くて小さな寂しさです
  その寂しさに覆い包まれて/
  この地上は真白く/静寂になりました
  昼下がり風もなく/ただしんしんと降り積もります
  とめどなく/空から降ってくるのは/白くて小さな寂しさです

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