大衆文学は、娯楽や気晴らし、癒(いや)しによって、 私たちのこころを、癒してくれる。
34、想い出は/小さい子供のようだ 安らかに眠っているものを/ いたずらに/ゆり起さないことだ
35、(片思い)紫陽花が/少女のように/ 空を見上げている 陽(ひ)にほほえんでいたり/ 雨にさびしそうだったり/ 週日/色をかえていく 紫陽花は/手の届かなかった/ 君に似ている
36、(花うらない)おさげの少女は/ きれいな指先で/花うらないをする 花びらを/一枚づつ取り去ってゆく残酷さに/誰も気づかない (あなたも/そんな風に/何気ない仕草で/ 他人を/傷つけたことは/ありませんか)
37、(冬のある日)雲の切れ目から/二月の太陽がのぞいている めずらしくおだやかな冬の日の午後/ 私は暇にまかせて/散歩をした 小高い山に/登りにいった ここには青春の日の想い出もある 木漏れ日は/チラチラと光を放つ 日陰は寒いが/日だまりは風もなくあたたかい そこで私は/幾時間かを過ごす/海も見える 行き交う船を見ているのが楽しい/航跡が白い
38、一人/ポツンと部屋にいて/煙のように部屋にいて/ やさしい歌ばかり聞いているのは/誰ですか 僕のなかでは/望みうすき夜が/何年も続いているのです
39、(就寝)夜が静かな眠りに誘うころ/ 天空には月がある/星がある しずかな月と星に見守られて/子供は眠りにつく
40、一人/そこはかとない寂しさを/ 冬と夜が連れてきて/僕は静かに眠っている
41、(雪)止めどなく空から降ってくるのは/ 白くて小さな寂しさです その寂しさに覆い包まれて/ この地上は真白く/静寂になりました 昼下がり風もなく/ただしんしんと降り積もります とめどなく/空から降ってくるのは/白くて小さな寂しさです
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