かたほうだけのパンプス
敦子



 パンケーキタイム

認知症で、住宅建て替えのため移動が伝えられている父の荷物を片付けに実家へ行った。

近所に住む私の娘がやって来て、懸命に作業をしている私をパンケーキを食べに行く誘惑をした。

父がいるとさわるな!何をしている?!捨てるな!などで進まないから母に父を外へ連れ出してもらった。

父のいない貴重な間。
娘のパンケーキの飛び入りで計画は予定どおりにいかず、財布は、帰りのバス代くらいしか残ってなかったし、心のうちは金ないし、貴重な時間をもったいない。

でも、娘につきあった。たまにしか今は娘に会えないから。

空気読んでくれるようになってくれよ。という気持ちは押し殺しパンケーキをぱくついた。

父との時間も、もちろん母との時間は大切。
娘との今もそれはそれで大切。

これだけがよしで、これはどうでいもいいというものはない。

みんな私が必要だからゆえのことなのだ。

こういうことをこなすことの積み重ねが人をつくるのだろうか。


2013年11月14日(木)
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