かたほうだけのパンプス
敦子



 京葉臨海タイムスリップコンビナート

コーヒーを飲んでいるとき。
ラジオから流れてきたニュースは、ケイヨウ?リンカイ?コンビナートという音が我が家の低い天井や壁、大きなガラス戸にこだました。

ニュースは千葉県の京葉臨海コンビナートの企業の利用が、安い賃金等の海外に移転するなどで空きだしたという内容。

県は企業誘致に利用条件を緩和すると漢字の羅列原稿のニュースをアナウンサーは無味乾燥に伝えた。


コンビナートという音を聞いたとたん、私の頭の中は「タイムスリップコンビナート(笙野頼子著」の情景が浮かんでいた。

意味がわからない不可思議な小説として読者を混迷させる芥川賞受賞作品。

私は、身体が震えるほどこの小説に感銘した。

理解を得られるように人にうまくは説明できない。

小説とはそういうものではなかろうか?この不思議小説を称えることよりも問題なのは、千葉の京葉臨海コンビナートの空洞化という大きな問題。

ここを工業地に誘致して稼働し収入を得ていた千葉県。

ふなっしーとか東京ディズニーランドとかそういう方たちが収入に貢献している。

あっ、小説は、そういうことを言っていたのか?

マグロが出てきたり、一企業の人がどーっと出てくるだけだったり、不思議と狭い限定空間で右往左往する現実となんだか、かみ合っているよないないよな。

絵に描いた現実を過去の未来がまとまった文で描かれた先取りのような。

この小説は不可思議さというよりも今と連動するよな呼び水化させるような・・・長いコーヒーを飲み終わると朝は昼になっていた。


2014年05月01日(木)
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