2005年04月09日(土)...花見日和

 テラスから見下ろした景色に太陽が反射して、少しくらくらした。向かいのビルに自分を見付けて、光に飲まれて今にも消えそうな其の姿に羨ましさを重ねる。手摺と観用植物の間に映り込んだその表情までは解らないけれど、相変わらずに気だるい雰囲気を醸し出していて可笑しかった。
 とろん、とした午後の陽射しに温かい寛容と緩やかな拒絶を感じて、胸がちくりとする。手を伸ばして届く距離の他人に、触れる理由が欲しいと思うのはこんな日なのだろう、と思った。

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